トップページ ニュース 京​都​女​子​大​学​ ​図​書​館​建​築​キ​ャ​ン​パ​ス​プ​ロ​ジ​ェ​ク​ト​~​学​生​と​と​も​に​作​る​図​書​館​~

京​都​女​子​大​学​ ​図​書​館​建​築​キ​ャ​ン​パ​ス​プ​ロ​ジ​ェ​ク​ト​~​学​生​と​と​も​に​作​る​図​書​館​~

2015 / 11 / 19 / 木
京​都​女​子​大​学

■図書館建築キャンパスプロジェクトとは!?
こんにちは。教まちや事務局です。
今回は、京都女子大学を訪問しました。
京都女子大学では、この春から学生も参加しての「図書館建築キャンパスプロジェクト」が開始されたと聞き、どんなプロジェクトなのかお話を伺いにやってきました。
今回の取材でお世話になるのは、京都女子大学 法人本部 法人事務室 吉田さん、芳賀さん、そして工事施工業者のみなさんです。
京都女子大学の図書館は、2017年度より新しく生まれ変わります。この新図書館ができるまでを学生たちの学びや経験の場として活用していくことを目的として、「図書館建築キャンパスプロジェクト」が立ち上がりました。最近は図書館や既存施設にラーニングコモンズの設置をする事例が増えていますが、新しい施設の建設に学生が携わる事例は全国的にも珍しいのではないでしょうか。

■課外活動として、専攻分野や興味に応じての参加が可能
この「図書館建築キャンパスプロジェクト」もともとは、家政学部生活造形学科という建築やさまざまなデザインの理論と技術を学ぶ学科を持つ大学として、この新たな図書館建設というせっかくの機会を学生の学びの場として使わなければもったいないという思いから始まりました。
課外活動として実施されており、毎回のテーマが躯体工事であったり、インテリアであったり多様なのが特徴です。学生はその時々のテーマに応じて参加が可能なので、建築を学ぶ学生だけでなく、図書館という空間に興味を持つ文学部をはじめとした他学部の学生も多数参加しているそうです。

■第4回体験型企画「建設現場の女性社員の仕事を体験しよう」
今回教まちや事務局が取材させていただいた第4回目のセミナーは、「建設現場の女性社員の仕事を体験しよう」という体験型企画でした。
実際の建築現場を見学して具体的な工程を確認するのと同時にこの建設現場で女性がどのように活躍しているのか、実際に知ってもらおうというものです。
この日現場事務所に集まった参加者は、初めに施工業者の方から建設工程の説明、地下部分の作り方、躯体についての解説を受けました。


■図書館建設現場へGO!
続いて、実際の建設現場へと場所を移動します。
さきほど事務所で学んだ内容を現場で一つずつ確認していきます。講義だけではなく、実際の現場を見ることでより学びが深まります。
見学中には施工業者の方からこの建設に関連した数問のクイズが出され、意外な答えに参加者は驚いたり、うなずいていたりしていました。

■建設現場で働く女性社員の仕事に興味津々
建設現場は、男性中心と思われがちですが、多くの女性社員がさまざまな役割で活躍している場でもあります。実際、この建設現場にも女性専用の休憩ルームが設けられていました。
見学後は、現場での具体的な仕事がどんなものなのか、この建設現場で働いている2名の女性社員さんによるプレゼンテーションが行われました。建築業界でよく利用されるBIM(ビルディングインフォメーションモデル)というソフトを使って計画業務のデモンストレーションを行いながらのお仕事紹介に学生さんも興味津々です。
女性社員さんを囲んでの質疑応答では、学生は仕事の大変さ、職場の雰囲気、将来の目標などについて活発に質問していました。

■アイデアコンペで学生自らが考えるスタディスペースを
そうそう、最後にアイデアコンペのお知らせもありました。
新図書館にはカジュアルスタディスペースが設けられる予定であり、そのスペースの使い方の提案を学生から募集し、集まった意見を可能な範囲内で取り入れ、具体化していく予定だそうです。
募集要項には「大学と自宅(寮)、そしてあなたにとって3つ目の居場所となる特別なスペースを提案してください。」と書かれています。
学生さんたちは12月のコンペに向けて、これからグループでアイデアを練っていくそうです。
学生さんのアイデアが反映されれば、ますます身近な図書館が完成しそうですね。


■企業のCSR活動とのタッグで実施
今回の図書館建設を担当している施工会社ではCSRの一環として、教育施設の新築、建て替えの際、生徒、学生の学びの場にすることに取組んでいるそうです。そのため、これらの活動を通じて工事への理解を得たり、建設業界への興味関心をもってもらいたいという思いから今回の“施工業者×大学”のタッグが実現しました。
大学側の担当者である吉田さんは、「大学や業者側が一方的に建物を作って、『ハイどうぞ使ってください。』ではなく、実際に利用する学生・教職員と一緒に作るという意識にしたかったのです。学生自身が関わった建物だと思えば工事や施設に対する思いも変わるのではと考えました。」と話してくれました。

■最後に
「入学してから4年間ずっと工事中のキャンパスで過ごした。」という声は、施設改修が行われているキャンパスに通う学生からよく聞こえてくるこぼれ話です。学生も高い壁の向こうで何が行われ、どのようなものができるのかということは知りたいはず。それならばいっそ学びの場にしてはという発想は、これまであまりなかったのではないでしょうか。
そしてもう一つ印象的だったのは、このプロジェクトを働く女性を知る場としても機能させようとしていることです。先の話にもあったように建設現場には、男性がまだまだ多いのですが、建築業界でも様々な役割を担って女性が活躍していることを学生に知ってもらうことは、これから進路選択を考える際に大いに役立つのではないかと思いました。
建設のプロセスを学びのプロジェクトとして位置づけようという柔軟な発想ができる京都女子大学図書館。学生のコンペもどんなアイデアがでてくるのか、今後が楽しみです。

京都女子大学図書館建築キャンパスプロジェクト専用のWebサイトも開設されていますので、気になる方は今後ぜひチェックしてみてくださいね。

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以上、京都女子大学「図書館建築キャンパスプロジェクト」についてご紹介しました。

教まちやNewsでは、大学コンソーシアム京都およびその加盟校の教育に関する特徴的な取り組みを取材し、掲載しています。
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