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京都橘大学「たちばな Connect Project」

2021 / 1 / 20 / 水
京​都​橘​大​学

こんにちは。教まちや事務局です。

新型コロナウイルス感染症拡大の中、いずれの教育現場でも、その影響は計り知れないものがあります。学びのあり方や学生生活において、各校様々な課題に向き合い、取組をされていることと存じます。
今回は京都橘大学での、コロナ禍における全学をあげた新入生へのフォローアップの取組について、ご紹介いただきました。
教職員、卒業生を含めた学生が一体となって取り組まれた事例を是非ご覧ください。

~今だからこそできるつながり方を作る~
寄稿担当:京都橘大学 教務部  学務第3課  課長 柴田 英貴 氏

  • ■発足の経緯

2020年春学期、多くの大学が授業の開始延期や遠隔授業化を決定しました。本学では、4月7日から遠隔で授業を行い、学年暦の変更は行いませんでしたが、対面授業の開始予定は少しずつ延期され、4月下旬には前期授業の全面遠隔授業化が決定されました。
そのような状況の中、本学の教職員は「教育を止めない」「一人も退学者を出さない」という2つのことを常に考え、自分たちにできることを模索していました。
私たちは学生たちの声をたくさん集め、「入学した実感がわかない」という新入生たちの声と、「新入生と関わりが持てない」という上回生の学生たちの声を重く受け止めました。なぜこの声を重たく受け止めたのかというと、学生や教職員が自然とつながりあう「たちばなの文化」がとぎれてしまうのではないか、という危機感を多くの教職員が持ったからです。
そこで、全学をあげて新入生を応援しよう!を合言葉に「たちばな Connect Project」は生まれました。
プロジェクトの活動内容は、大きく分けて以下の3種類です。

■学科のWa!

同じ学科の先輩学生が、新入生5人程度を受け持つ「ピアサポーター」として、主にオンライン相談を行いました。ピアサポーターとして活動する前に研修を受ける、ピアサポーターの先輩学生が困ったときに相談する教員を学科ごとに決めておく、ピアサポーター同士でも助言しあえるようにする、一人暮らしをしているピアサポーターに一人暮らしをしている新入生を受け持ってもらう、などの工夫を行いました。最初はぎこちなくてもすぐに仲良くなってくれました。
また、担当の先輩後輩の枠を超えて、例えば医療系学科では解剖整理の学習会をしたり、国際英語学科ではTOEIC学習会をしたり、とオンラインでもさまざまな人とつながることができる機会を設けました。
7月以降は、後期の対面授業開始を見据えた教員紹介やキャンパス紹介などの企画も盛り上がっていました。
キャプション:TOEIC学習会の様子

■みんなのWa!

新入生歓迎イベントをまとめた活動です。
お昼休みにzoomを利用してサークル紹介をしたり、特設サイトにサークルごとのPR動画を集めたり、とできるだけ学生生活にリアルに触れてもらえるように工夫しました。
サークル紹介イベントは、録画してホームページに掲載。ピアサポーターの先輩にもオンライン相談の中でサイトに誘導するようにお願いして、皆に見てもらえるようにしました。

キャプション:クラブ・サークルWeb新歓の様子

  • ■未来のWa!

就職活動を終えた4回生や、卒業生に協力してもらい、新入生に「4年間のよりよい過ごし方」についてアドバイスをしてもらいました。
また、「1回生から始める就活準備」を目的とした「たちばなアカデミー」についても紹介。新入生に未来を考えてもらうきっかけづくりになりました。

キャプション:「Waになれ!1×4=∞ ~大学生活と就職活動のリアル~」の様子

  • ■プロジェクトを振り返って

    今回のプロジェクトは、法人部門、教務部、学生部の職員からメンバーを集めました。できることや課題が何なのかすらわからない状態でのスタートでした。振り返ってみると、4月の下旬に立ち上げについてアイデアが出され、5月上旬から約1か月の間に6回のプロジェクト会議を開催しており、その中で、人事制度面、ピアサポーターの選考基準、ピアサポーターへの研修内容、学生部門の関わり方、広報の在り方などについて検討を行いました。
  • コロナ禍で通常の授業運営が難しくなり、オンライン授業への移行対応や学生補助の在り方の検討など、職員それぞれが本務で非常に多くの業務を抱えながらのプロジェクトの実行でしたので、プロジェクトリーダーとしては、可能な限り「誰が、いつまでに、何を、どのくらいの精度で準備をするのか」を明確に決定し、会議の終了時にはこれらのポイントを明らかにし、メモとガントチャートを作って共有するようにすることで、少しでも皆の負担を減らすよう努めました。
  • 新入生の気持ちに寄り添った企画にするために皆で悩みながら進めたプロジェクトでしたが、結果として「教職員」「学生」「卒業生」が一体となり「新入生を大学生活につなげる」だけでなく「大学全体がつながる」プロジェクトになったと思います。プロジェクトは8月末をもって終了しましたが、学生や教職員が自然とつながりあう「たちばなの文化」の大切さ・素晴らしさを改めて感じることができました。

     

■学生たちの声

ピアサポート制度を利用した学生の声を一部ご紹介させていただきます。


【利用した新入生の声(匿名アンケートより抜粋)】

  • いつも質問したことに対して丁寧に答えていただいてとても助かりました。たくさん不安があるなか、なんでも相談していいよとおっしゃっていただいたことで質問もしやすくなりました。本当にピアサポーターの先輩にはお世話になっています、ありがとうございます。
  • 質問をするととても丁寧に教えていただきました。最初は緊張したのですが、とても話しやすい雰囲気を作ってくださったので、自分が思っていたよりも早く先輩とも、同じグループの新入生とも打ち解けることができました。ありがとうございます。これからもよろしくお願いします。


【ピアサポーターとして活動した先輩学生の声】

  • 私も大学に入ってからオリター等の先輩方に相談し、履修登録など色々と教えていただきました。1回生も私と同じように不安を抱えていると思いました。また、先輩方にしていただいたことの恩返しを後輩たちにできればと思い、ピアサポーターとしての活動に参加しました。この取り組みを通して、担当した1回生達が、企画したゲームなどで段々と仲良くなっていく様子が見られて本当にうれしかったです。
  • 対面授業が無くなり、不安や悩みを抱えた新入生たちが友達や先輩に気軽に頼れない中で、少しでも力になりたいと思いピアサポーターに応募しました。1回生からのTOEICの勉強会のおかげでいい点数を取れたという報告や、後期が始まって毎日楽しくキャンパスライフを過ごしていると笑顔で伝えてくれる姿を見て、この企画に参加出来て本当によかったと思いました。
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