【同志社大学】人文科学研究所連続講座2020 『戦後「バラック街」再考』
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イベント概要
第二次世界大戦後の日本の多くの都市では、空襲被害による住宅焼失や大量の戦地からの引揚者などによって慢性的な住宅不足が起こっていました。行政による住宅供給も遅れ、戦災被害者をはじめ多くの人々は不安定な状態に置かれることになりましたが、人々は決して放置されていたばかりではありませんでした。戦災跡や建物疎開跡、計画予定地、ガード下や河川敷などを占拠/占用し、自らの手であるいは協力する形でバラック=仮小屋を建て、住まいや生活の安定を求めました。その後、こうしたバラックは都市の様々な場所で集団化し、都市に生きる人々の軌跡が交錯する場所として、人々が息づく「街」となったのです。
今回の連続講座は、その後「不法占拠」や「スラム」と位置付けられながらも、都市に生きる人々の住まう場所でもあった、「バラック街」を再考します。行政文書や新聞記事、ルポルタージュなど、数多くの史資料を提示することで、戯曲『焼肉ドラゴン』(鄭義信原作)や漫画『夕凪の街 桜の国』(こうの史代原作)の舞台にもなった、バラック街にアプローチいたします。
具体的には、東京や神戸、広島、さらには大阪や京都などの都市を対象に、バラック街の生活風景、そこに生きる人々の様々な営為の描写から始まり、当地の成り立ち、そして消滅までの過程をめぐる社会・政治的状況を解説していきます。基本的に、バラック街という都市の街角にピントを合わせた内容となりますが、受講生の皆さんには、広く戦後日本社会を改めて考え直すための機会にしていただきたいと期待しています。
なお、本連続講座の内容は、本岡拓哉『「不法」なる空間にいきる―占拠と立ち退きをめぐる戦後都市史―』(大月書店、2019年発刊)を踏まえています。 -
開催日2020 / 12 / 4 / 金 〜 2020 / 12 / 18 / 金
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イベントWebサイト
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会場同志社大学今出川校地(今出川キャンパス) 良心館304教室
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参加対象どなたでもご参加いただけます
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主催同志社大学人文科学研究所
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備考開催日:
2020年12月04日(金)15:00~16:30
2020年12月11日(金)15:00~16:30
2020年12月18日(金)15:00~16:30
3回連続の受講が望ましいです。
定員:50名(要申込)
新型コロナウイルスの感染状況によっては、実施方法変更の可能性がありますが、その際は別途おしらせします。