トップページ イベント情報 【立命館大学/大阪大学】大阪・京都文化講座オンライン「病との対峙」

【立命館大学/大阪大学】大阪・京都文化講座オンライン「病との対峙」

2021 / 6 / 7 / 月 〜 2021 / 8 / 2 / 月
オンライン
  • 教育
  • 社会貢献
  • イベント概要

    【テーマ】病との対峙
    人類は、感染症のみならず様々な病に苛まれ、それに向きあってきました。そしてその捉え方、対処の仕方もさまざまでした。本講座では、大阪・京都のみならず国外にもとりあげる対象を広げ、薬師如来像、祇園祭、「御救米」、緒方洪庵、近世の上方文学、プロレタリア文学、近世医薬学、そして中世イスラーム世界の医学に焦点をあて、先人たちがどう病と向き合ったかを検証し、病の歴史的・文化的意味を考察します。

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    回  数: 全8回
    時  間: 各回14:00~15:40 ※Q&A(質疑応答)含む
    定  員: 各回200名
    申込締切: 各講義の2日前の23:59
    受  講  料: 〔1回〕1,500円、〔全8回一括申込(割引)〕11,000円
    共  催: 大阪大学大学院 文学研究科/立命館大学文学部・社会連携課
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    第1回: 6月7日(月) 
        身体の”病”と、社会の”病” —葉山嘉樹「淫売婦」を読む
    講 師: 内藤 由直氏 立命館大学文学部 教授
    内 容: 本講義では、葉山嘉樹の小説「淫売婦」(『文芸戦線』1925年11月)読み直し、作品に描き出されている"病"の意味を考えていきます。本作品には肺結核と子宮癌に冒され死を待つだけの女が登場しますが、病を抱えた一人の人間の身体を前にして、登場人物たちが「諦め」や「悲しみ」、そして「怒り」の感情を発露します。作品に描出される人々の心情を手掛かりにして、"病"が自然なものでも運命でもなく、社会的に作り出されるものでもあることを明らかにしていきます。

    第2回: 6月14日(月) 
        上田秋成と病 —作者として、医師として、患者として
    講 師: 飯倉 洋一氏 大阪大学大学院文学研究科教授
    内 容: 十八世紀の上方文人である上田秋成は、さまざまな立場で病と向き合った人です。作者としての秋成は名作『雨月物語』で、感染症の旅人を懇切に看病するエピソードではじまる「菊花の約」の話を書いています。医師としての秋成の事蹟はほとんどわかりませんが、晩年の随筆から、真摯に患者に向き合っていたことが知られます。そして患者としては、両眼失明を経験しながらも「神医」に救われ、視力を取り戻しました。秋成は「神医」に対して、感謝の作品を数多く捧げています。秋成を通して、江戸時代中期の「病との対峙」に思いを馳せてみましょう。

    第3回: 6月21日(月) 
        祇園祭と厄災 —起源からデジタル・ミュージアムまで
    講 師: 佐藤 弘隆氏 立命館大学文学部 特任助教
    内 容: 京都祇園祭は、疫神による厄災防除に対する平安京の人々祈りによって始められた御霊会を起源とします。しかし、盛大な祭礼としての発展の裏には、様々な災厄を乗り越えてきた歴史があり、現在も新型コロナウイルスとの戦いの最中にあります。今回の講座では、その変遷と最新のデジタル・ミュージアムの研究動向から、これからの祇園祭の災厄との向き合い方を探求していきたいと思います。

    第4回: 6月28日(月) 
        緒方洪庵の種痘事業と除痘館 —幕末期大坂の「医療行政」との
        かかわりから
    講 師: 村田 路人氏 大阪大学名誉教授・神戸女子大学教授
    内 容: 嘉永2年(1849)、ジャワのバタビヤから牛痘ワクチンが長崎にもたらされ、同地で牛痘種痘が成功します。牛痘ワクチンは長崎から各地にもたらされ、大坂では、蘭医学者緒方洪庵らによって、その年のうちに種痘所(除痘館)が開設されます。その後、除痘館は大坂町奉行所の官許を得、慶応3年(1867)には幕府施設である大阪種痘館になります。講義では、この過程を近代につながる新しい「医療行政」の成立という観点からとらえ、紹介します。

    第5回: 7月5日(月) 「御救米」給付と社会 —安政大地震とコレラ流行
    講 師: 東島 誠氏 立命館大学文学部教授
    内 容: 東日本大震災の翌年に出版した『〈つながり〉の精神史』は、連年で大学入試(小論文・国語)の出題文となるなど、これから大学で学ぼうとする人たちに考えてほしい問題を提起した書でした。その著者が、コロナ禍の今、考えるところをお話しします。幕末、安政年間もまた、大地震にコレラ流行と、災禍が相次いだ時代です。今回の講座では、現在で言えば「給付金」に相当する、江戸町会所「御救米」、そこから透けて見える「社会」にフォーカスします。

    第6回: 7月12日(月) 薬師寺と新薬師寺の薬師如来像
    講 師: 藤岡 穣氏 大阪大学大学院文学研究科教授
    内 容: 薬師寺は天武天皇が鸕野讃良皇女の病平癒のために発願した寺院です。ただし、現在の薬師寺金堂の本尊薬師三尊像は、その後平城遷都にともない西の京に移転した薬師寺において造立された像と考えられ、その造立の目的はむしろ鎮護国家でした。一方、新薬師寺は聖武天皇の病気平癒のために光明皇后が発願した寺院ですが、現在の本尊はその後桓武天皇の病気平癒を祈り、その原因とされた早良親王の怨霊を鎮めるために造立されたと考えられます。本講座では、日本を代表する二つの薬師如来像の造立目的や特徴について考察します。

    第7回: 7月26日(月) 中世イスラーム世界と医学
    講 師: 馬場 多聞氏 立命館大学文学部 准教授
    内 容: 中世イスラーム世界では、大別してふたつの医学が併存し、病の対処方法を人々に示していました。第一は、いわゆる大翻訳時代にアラビア語へ翻訳されていったギリシア医学であり、イブン・スィーナーらによって更新された後、ヨーロッパの医学の礎となりました。第二は、イスラームの創始者である預言者ムハンマドの言行にもとづく預言者の医学であり、現代に至るまでイスラーム教徒の寄る辺であり続けています。本講義ではこのふたつの医学の検討を通して、人々が病と生きるとは何か、考えてみたいと思います。

    第8回: 8月2日(月) 理系の視点で紐解く感染症と近世医薬学発展の歴史
    講 師: 髙浦 佳代子氏 近畿大学薬学部講師
    内 容: これまで、近世に限らず医療に関する文献・実体物資料の研究の多くは歴史学などの文系研究者により行われてきました。薬学出身者として、緒方洪庵の薬箱研究に携わった経験を中心として、理系の観点から近世における感染症との戦いの歴史や医薬分野発展の過程を考察します。

  • 開催日
    2021 / 6 / 7 / 月 〜 2021 / 8 / 2 / 月
  • イベントWebサイト
  • 会場
    オンライン(Zoom)
  • 参加対象
    どなたでも
  • 主催
    大阪大学大学院 文学研究科/立命館大学文学部・社会連携課
  • 添付資料
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