ワークショップ3
「大学とダイバーシティ」
京都は以前から留学生の多い地域であったが、最近はさらに留学生数が増加しており、様々な文化的背景をもつ学生との交流が大学教職員に求められている。日本語を母語とする学生だけではなく、多様な言語、宗教、文化をもつ学生と関わり、大学内のダイバーシティを尊重する姿勢をもつことが、今後の大学の発展にとっても必要であろう。多様な人材を育成する大学において、異文化とどのように向き合っていけばよいのか。大学の授業や、日本人学生と留学生との交流イベントで簡単に行うことができる異文化間教育に関するワークショップを紹介するとともに、実際にワークショップを体験して、想像性を働かせながら新しい価値観を創造する楽しさを参加者と共有できればと考えている。前半では、『異文化接触の心理学-AUC-GS 学習モデルで学ぶ文化の交差と共存-』(田中共子著、2022、ナカニシヤ出版)をベースに、異文化間教育の立場から、留学生とのワークショップの方法を紹介する。留学生を送り出す立場、受け入れる立場に役立つ試みも取り上げていく。後半では、実際にアート手法を用いた集合的創造のワークショップを行う。参加者が協力しながら遊び心を持って異なる視点を探求し、想像力を刺激し合う。助け合いの環境の中で、新たなアイデアや洞察が生まれるいくつかの活動を体験し、そうした活動を支える場のデザインについて、パフォーマンス心理学の理論を基に対話を通じて深めていく。これから大学内は留学生だけではなく、多様な特性をもつ学生や多職種の教職員も多くなっていく。このような多様性に今後大学はどう対応していくのか。自分とは異なる他者に対峙したときに、どのような視点や方法が必要なのか。そのヒントを提示するとともに、参加者と一緒に異文化と接する楽しさを共有したい。
- コーディネーター
- 坪井 剛 氏 (佛教大学 仏教学部 准教授)
- 塘 利枝子 氏 (同志社女子大学 現代社会学部 教授)
- 報告者
- 田中 共子 氏 (岡山大学 社会文化科学学域 教授)
- 岸 磨貴子 氏 (明治大学 国際日本学部 教授)
当日の構成
- 14:00趣旨説明
塘 利枝子 氏 - 14:15講演1.「留学交流の現場で使えるワークショップの方法」
田中 共子 氏 - 15:00休憩
- 15:05講演2.「アートと共創でひらくキャンパス多様性」
岸 磨貴子 氏 - 16:25質疑応答
- 16:30ワークショップ終了