トップページ ニュース 京​都​造​形​芸​術​大​学​×​コ​ン​ソ​の​海​外​プ​ロ​グ​ラ​ム​開​発​支​援​で​実​現​!​訪​ね​る​だ​け​で​は​な​い​海​外​研​修​プ​ロ​グ​ラ​ム​「​チ​ェ​コ​研​修​ツ​ア​ー​」

京​都​造​形​芸​術​大​学​×​コ​ン​ソ​の​海​外​プ​ロ​グ​ラ​ム​開​発​支​援​で​実​現​!​訪​ね​る​だ​け​で​は​な​い​海​外​研​修​プ​ロ​グ​ラ​ム​「​チ​ェ​コ​研​修​ツ​ア​ー​」

2014 / 11 / 8 / 土
京​都​造​形​芸​術​大​学​

■ご存知ですか?
こんにちは。教まちや事務局です。
京都市と大学コンソーシアム京都が、加盟校で実施されている海外留学派遣プログラムの開発支援をしていることをご存知ですか?
『京都市域の活性化に貢献できる人材の育成および学生の海外留学促進を目的とし、京都市と大学コンソーシアム京都は協働で、加盟大学・短期大学・大学院の海外留学派遣プログラムの開発に、開発支援金30万円を上限として支給する』事業を昨年から開始しました。
実施されるプログラムには、帰国後、留学内容を活かして「京都市域活性化につながる内容」を京都市に提言してもらいます。
今回はこの「海外留学派遣プログラム開発支援事業」に昨年採択され実施されたチェコへの研修ツアーの成果報告展が開催されているということで、その様子を見学しに京都造形芸術大学さんにお邪魔しました。
会場であるキャンパス内のギャラリー“ギャルリ・オーブ”に伺うと、このツアーを企画・担当された情報デザイン学科教授 大西宏志(おおにし ひろし) 先生が待っていてくださいました。
早速、いろいろ聞いてみましょう!

 

■京都造形芸術大学「チェコ研修ツアー」成果報告展
事務局(以下、事):このツアーはいつから始まったのですか?
大西先生(以下、大):もともとは私の恩師でもある本学教授でアニメーション作家の相原信洋先生がプライベートツアーとして始められました。それを2010年度からは大学の正式な研修ツアーとして実施するようになりました。ただ、残念なことに2011年に相原先生が急逝されてしまいました。相原先生が作られた素晴らしい研修プログラムがなくなるのはもったいないと私が引き継ぐことにしたのです。


      相原信洋先生

事:どんなプログラムなんですか?
大:チェコのアニメーション芸術は国際的に高い評価を受けており、デザインや建築などの分野においても独特の表現を持っています。アートを志す学生にとっては魅力的な国なんです。実際、情報デザイン学科だけではなく、美術工芸学科やプロダクトデザイン学科の学生たちがアニメーションのスタジオや芸術系大学を訪問し、現地の学生との交流を行っています。今年は17名の参加者がいました。
事:今回、支援事業制度を使って実現されたのはどういった内容ですか?
大:これまでも事前学習や事後の成果物の提出などは行ってきました。しかし、それだけでは物足りないと考えていたところ、今回の支援事業のお話をいただきました。この支援制度を利用してチェコのプラハ美術工芸大学Academy of Arts, Architecture and Design in Pragueからイジー・ペルクル先生をお呼びすることができたことは、今後この研修ツアーのブラッシュアップを検討する上で、とても大きかったです。
先生には学生と一緒に京都をフィールドワークしてもらいました。チェコに行った京都で学ぶ学生と、チェコから京都に来た先生、お互いに外国人の視点で自国の文化を見直すことができました。ペルクル先生にはチェコ訪問の際に現地で一度お会いして、日本人から見たチェコの魅力について意見交換をしていたので、学生も言葉の壁を越えてスムーズにコミュニケーションができたようです。
事:今回のプログラム名は「世界遺産の姉妹都市から、アートを街の活性化に活かすワザを学ぶ」なんですね。
大:これまでも参加学生にはツアー後の成果物作成を課してきましたが、すべて自由に訪問して感じたことをテーマに創作してもらっていました。今回は支援事業ということもあり、「京都市域活性化につながる内容」を盛り込んで、「プラハの良い所を京都に活かす」という視点で成果物を作成してもらいました。最初は制約があることに学生は不満気でしたが(笑)、結果としてこれまでにはない作品たちができあがりました。

事:どんな成果物ができあがったんですか? 
大:プラハの看板のおしゃれさを参考に錦市場のお店の看板をデザインし、それをあしらったDMを作ったり、木工細工に触発されて祇園祭の山鉾をモチーフにした木のおもちゃを作った学生もいます。
チェコの人々がものを大切にすることに感銘を受けて小物入れにリサイクルできる菓子箱をデザインすることを思いついたり、使っている絵具やクレパスの色味の違いに興味をもって日本独特の色遣いとの比較を行うなど、学生はモノづくりだけではなく文化の違いを感じ、チェコの素晴らしいところを吸収していたように感じます。さらに、学生にはペルクル先生とのフィールドワークを通じて、生活する日本、そして京都を客観視することで再評価する、いいきっかけを与えることができたと思っています。 

事:今後の展望を教えていただけますか?
大:今回、新たな海外研修のプロトタイプを実施してみて、やはり現地の教員との交流を訪問した時だけではなく、事前あるいは事後に京都で実施することによって得られる教育的効果は高いことを実感しました。予算的な課題は残りますが、今回の実績を元に今後、学内で継続実施して行けるように働きかけたいと思います。

■大西先生、ご協力ありがとうございました!

いかがでしたか?
チェコ研修を通じて、学生さんたちが沢山の気づきや学びを得たことが、展示を通じてひしひしと伝わってきました。スナップ写真のパネルは展示開始後、どんどん参加者が新しい写真を貼りつけるのではみ出てしまっています。みんな、本当に楽しかったんですね!
そうそう、ツアー中は毎日、日記を書くことも課題だったようですが、どの日記も文字だけではなく色々なイラストで彩られ、さすが芸大生と唸ってしまいました。
今回の研修ツアーが、参加した皆さんの今後の創作活動にプラスになることを祈っています。


京都市と大学コンソーシアム京都では、来年度も同様の「海外留学派遣プログラム開発支援制度」を実施予定です。加盟校のみなさま、是非ご活用ください。

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教まちやNewsでは、大学コンソーシアム京都およびその加盟校の教育に関する特徴的な取り組みを取材し、掲載していきます。加盟校の教職員の方で、取材を希望される場合は、下記お問合せ先までご連絡ください。

 

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