トップページ ニュース 「​​​加​​​盟​​​校​​​レ​​​ポ​​​ー​​​ト​​​」​​​2​5​ ​大​谷​​​大​​​学​​​「​地​域​連​携​室​​​」

「​​​加​​​盟​​​校​​​レ​​​ポ​​​ー​​​ト​​​」​​​2​5​ ​大​谷​​​大​​​学​​​「​地​域​連​携​室​​​」

2018 / 3 / 8 / 木
大​谷​​​​​​​大​​​​​​​学

■はじめに
こんにちは。教まちや事務局です。
今回は、大学コンソーシアム京都FD企画研究委員の先生に加盟校の活動をご紹介いただく「加盟校レポート」シリーズです。
24回目となる今回は、大谷大学短期大学部幼児教育保育科教授の太田智子先生より、学内の「地域連携室」について、ご紹介いただきました。
地域連携室は、北大路通側の北門すぐ左手の響流館(こうるかん)1階に位置します。


響流館1階フロアには、2月28日に完成したばかりの地域連携活動のブースが並んでいました。

今回、取材にご協力いただいたのは、地域連携室長・文学部社会学科教授の髙井康弘先生です。

■「地域連携室」設立の背景
事務局:まずはじめに、地域連携室「コミュ・ラボ」の設立背景からお伺いいたします。
髙井先生:きっかけは「グランドデザイン【2012年度-2021年度】」の策定です。個々の教員が個別に地域や企業等と関わってきましたが、組織的な支援体制は不十分でした。地域の中で生きていく大学として、地域連携活動をより組織的かつ積極的に進めていくことをグランドデザインに盛り込んだことが始まりです。
これを受け、2014年度から、文学部社会学科の地域政策学コースの授業で、アクティブラーニングの一環として、積極的に地域連携活動を推進し始めました。
2015年6月には、教員・学生の地域連携活動をサポートする組織として地域連携室(コミュ・ラボ)を開設しました。

■多彩な地域連携プロジェクト
事務局:実際にどのような活動をされているのでしょうか。
髙井先生:2017年度実績で言うと、計9つのプロジェクトを実施しました。そのなかには、複数の取り組みからなるプロジェクトもあります。例えば、京都市北区の北部に位置する中川学区を舞台にした「中川学区の暮らし再発見」プロジェクトです。学生と地域住民との交流イベントや、地域の課題を抽出し解決策を探る他、地域の魅力を発信するための住民への聞き取り調査、獣害により栽培が難しくなったお茶の復活(「まんま茶」プロジェクト)など、中川学区の暮らしや風習、歴史などを後世に残すための活動をおこなっています。
「北大路地域情報発信」プロジェクトでは、コミュニティラジオ「RADIO MIX KYOTO」(FM87.0)で毎週火曜日に番組(「大谷大学HAPPY HOUR」)を担当しています。他のプロジェクトに参加する学生を招くなど、毎週試行錯誤を繰り返しながら番組を放送しています。
また、私も担当しています「聞き取りを通じた多世代交流」プロジェクトでは、「京都市左京東部・西部いきいき市民活動センター」と連携し、学生が京都市左京区の高齢者に聞き取り活動をおこなっています。学生との交流が高齢の方々の元気回復に効果的に働くことを願った取り組みです。聞き取った情報を地域共通の資源とするために冊子やパネルにまとめ、発信しています。参加した学生は、「正規の授業時間外の活動もあり、大変であったが、今までできなかった経験ができて新鮮であった」「自分のまわりにも高齢の方はおられるが、昔のことを聞く機会はなく、本では得られないリアルな話を聞くことができてすごく勉強になった」などと話していて、多くの気づきを得てくれたようです。
なお、プロジェクトは、先ほど申し上げた通り、授業として実施しているものがほとんどですが、学生なら誰でも参加できるプロジェクトもあります。


事務局:各プロジェクトの骨子は各担当の先生が立てられるのでしょうか。

髙井先生:基本的には、公共政策学、社会福祉学、地域社会学を専門にされている先生が、これまでに培ってこられたご自

身のネットワークをもとにプロジェクトを立てておられます。ただ、地域連携室の支援により立ち上がったプロジェクトも

あります。私も担当しています「聞き取りを通じた多世代交流」プロジェクトがそうなのですが、当初、我々は地域連携活

動のフィールドを探していました。地域連携室では、地域連携アドバイザーなどのスタッフが日々情報収集に努めているの

ですが、京都市左京区で聞き取り調査を進めている「京都市左京東部・西部いきいき市民活動センター」が、学生による聞

き取り調査をおこない多世代交流が実現できないかと連携先の大学を探しているとの情報を得ました。そこで域連携アド

バイザーが調整を進め、本プロジェクトにつながりました。

事務局:各プロジェクトの報告会をおこなわれていると伺いました。

髙井先生:はい。2017年度は、7月に進捗報告会、12月に成果報告会を開催しました。7月は、①プロジェクト間の相互交

流、②学内広報、③地域への発信を目的にし、地域の方々にも参加いただきましたが、多くの層を対象にしてしまったこと

で焦点がぶれてしまい、参加者からは「物足りなかった」という声が上っていました。このため12月には学生間交流と学内

広報に焦点を絞り開催しました。

■今後の展開について

事務局:今後の展望についてお伺いしたいと思います。 

髙井先生:2018年度に、文学部社会学科等のこれまでの成果を引き継ぎ、社会学部(コミュニティデザイン学科、現代社会学科)を開設します。

新学部では、卒業要件単位の中でも実践研究科目の比重を大きくし、学生が地域のさまざまな人とふれあい、そのなかで主体的に活動することを

通じて学ぶ場を積極的に創出しています。そのような正課授業などの展開を、積極的にサポートしていくことが当面の課題です。

今は、学生の自主的な活動を募集し支援できる段階にまでは来ていませんが、行く行くはそういったことも視野に入れていきたいと思っていま

す。

事務局:今後、このフロアが地域と学生・教職員が活発に交流する場になればいいですね。

髙井先生:そうですね。地域と積極的に連携していくんだという大学の姿勢を発信することで、徐々に地域からの問い合わせが地域連携室に入る

ようになってきました。地域からの問い合わせや連携の要望に適切に対応できるよう、現在、ガイドラインの策定を進めています。

また、現在連携している地域との関係を保ち続けることも重要です。地域との関係を築くのは非常に大変ですが、一度信頼を失ってしまうと壊れ

るのは簡単です。今の地域との関係を大事にしながら、徐々に広げていく。そのような姿勢で今後も取り組んでいきたいと思います。

 

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