トップページ ニュース 大学コンソーシアム京都:SD事業「SDゼミナール」2023年度修了生の声

大学コンソーシアム京都:SD事業「SDゼミナール」2023年度修了生の声

2024 / 3 / 5 / 火

 

■SDゼミナールとは

今回の教まちやNewsでは、大学コンソーシアム京都がSD事業のひとつとして行っている「SDゼミナール」についてご紹介します。
SDとは、「Staff Development」の略称で、大学職員の職能開発を意味し、主として大学職員を対象とした研修を実施しています。

18 歳人口のさらなる減少や人生 100 年時代の到来、第4次産業革命の高度化によるSociety5.0、グローバル化の進行など、大学を取り巻く環境は激しく変化しています。大学職員には、次代を見据えた的確な舵取り能力と、環境の変化や社会のニーズを正確に分析し、それを組織における意思決定に反映させ、社会的使命である教育・研究・社会貢献を実現に導く能力が求められます。大学コンソーシアム京都では、2015年に、若手・中堅職員を主たるターゲットとし、それぞれの大学の次代を担う人材育成を目的として「SDゼミナール」を開講しました。5月から毎週土曜日の連続開講形態で、各講師をお招きして大学制度の歴史、組織、高大連携などをテーマとする講義を実施しています。9月には公開プレゼンテーションを行い、11月には政策提言レポートを提出していただく、実に数ヶ月間に渡る研修となっています。
https://www.consortium.or.jp/project/sd/administrator
 2023年で7年目を迎えましたが、過去6年間の実施で111名の修了生を輩出しています。今回は、SDゼミナール修了生の1人である本田純一氏(京都橘大学 教学事務部教務課(SDゼミナール参加当時)/2023年度修了生)にSDゼミナールについての感想を伺いました。是非ご覧ください。

 

SDゼミナールの受講を通じて

事務局:SDゼミナールを受講しようと思ったきっかけは何ですか。

本田氏:私の上長が過去にSDゼミナールを受講されており、「受講すれば必ず学びになる」と声をかけてもらったことがきっかけです。その声かけをきっかけにHP等を拝見し、座学の講義だけではなく、他大学の職員のみなさんとも意見交換ができること、また講義を通したインプットだけではなく、公開プレゼンテーションや政策提言レポートの執筆等を通してアウトプットができ、それらが日々の業務にも活かせるのではないかと感じた点に魅力を覚え、受講を決意しました。

 

事務局:SDゼミナールの講義で最も印象に残っている講義や出来事はありますか。

本田氏:各分野を代表される講師陣からのお話を聞くことができ、それらを踏まえてSDゼミナールのメンバーで議論できたことがとても印象深いです。また、本学の西野毅朗先生とは普段から教育開発に関連する業務でご一緒させていただいている間柄なのですが、西野先生を講師として、教学マネジメントを推進していくための施策について話し合う回は特に業務と密接に関わっており、いかにSDゼミナールでの学びを自大学に持って帰るかということを大変意識したという点で印象に残っています。

 

事務局:学びがどのように活かされているか、受講後の変化はありましたか。

本田氏:受講前から私自身日々の業務において政策立案を行う際は、先行研究や他大学事例も意識するように心がけていたのですが、その気持ちがより強くなったのではないかと感じています。加えて、今まではインプットだけで止まってしまうことも多かったのですが、インプットしたからには何かしらアウトプットを行って、教員や学生にとって、よりよい環境づくりに繋げていきたいという気持ちが芽生えたことも変化と感じています。

 

事務局:他大学の職員と一緒に学ぶことで、どのような関係性を築くことができましたか。

本田氏:これまで単発の研修会等には複数回参加し、名刺交換を行うことは多々ありましたが、その関係性がその後も持続することはあまりありませんでした。一方でこのSDゼミナールは講義に加えて、政策提言レポートの執筆まで約半年に渡って走り続ける長丁場であったこともあり、濃い関係性を構築できたと考えております。一緒に走りきったという共通の経験を有するメンバーですので、今後も気軽に相談ができる仲間がいるというのは大変心強いです。とあるメンバーとは、愛媛大学で実施された「SPODフォーラム2023」で再会し、SPODフォーラムでの講義の内容や公開プレゼンテーションに向けた準備について、議論できたこともいい思い出になっています。

 

事務局:土曜日の受講にあたり、仕事との両立はできましたか。

本田氏:業務の兼ね合いから土曜日に出勤して、そのままSDゼミナールに参加するという回も度々ありました。また日々の業務を終えてから、各講義の事前課題や公開プレゼンテーションの準備、また政策提言レポートの執筆を行う関係上、負担がなかったとは決して言えませんが、上長がSDゼミナール経験者ということもあり、業務量についてはうまくコントロールしてくださったなと感じています。正直なところ、もうしんどいなと感じる場面もありましたが、SDゼミナールのようなインプットとアウトプットの時間が楽しかったこと、また自分でやると決めたからには最後までやりきりたいという気持ちで政策提言レポートの執筆まで走りきれました。

 

事務局:最後に受講を考えている職員にメッセージをお願いします。

本田氏:上記と重複するところもありますが、SDゼミナールの強みは2点あると感じています。第1にやはり他大学の職員のみなさんと今後も続く関係性を構築できる可能性があることです。自大学での常識が実は常識ではないという気づきや実は案外みんな同じ悩みを抱えていることに気付けるなど自大学の中では経験できないことばかりだったなと感じています。第2にインプットとアウトプットを意識的に経験できたことです。どうしても単発の研修の場合、インプットに偏ってしまい、研修に参加すること自体が目的化してしまうことも過去にありました。ただ、このSDゼミナールの場合、公開プレゼンテーションや政策提言レポートの執筆というアウトプットが設定されており、私自身の業務と密接に関わるテーマ設定を行ったこともあり、インプットとアウトプットをバランスよく、また効果的にできたのではないか感じています。最後に政策提言レポートのテーマとして、「越境学習」をキーワードのひとつとして掲げていましたが、私自身、組織外での学びや気づきを組織内に持ち帰り、実践した上でそれらが往還する学びを、身をもって経験できたことで、この半年間はかけがえのない約半年となりました。一定の負荷はかかってしまいますが、修了後「走り切ってよかった!」と確信できるコンテンツが数多く準備されていますので、ぜひ自身の業務力向上や職員間のネットワーク構築に興味関心を持たれている方は前向きに受講を検討いただければ幸いです。

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