大学コンソーシアム京都主催:新任教員FD合同研修≪プログラムA≫
■新任教員FD合同研修 実施レポート
こんにちは、教まちや事務局です。
今回は、キャンパスプラザ京都で実施された大学コンソーシアム京都主催の新任教員FD合同研修の様子をお伝えします。
大学コンソーシアム京都では9月6日(土)、7日(日)の2日間にわたって「2014年度新任教員FD合同研修≪プログラムA≫」を実施いたしました。
本研修は加盟大学が連携して新任教員へ研修を行うことによって教育活動面をサポートすることを目的とし、併せて大学の枠を超えた交流の場とすべく、国立教育政策研究所の「新任教員研修の基準枠組」に基づいてプログラムを組み、毎年実施されています。9月実施のプログラムA、3月実施のプログラムBの両方を受講された参加者へは修了証が授与されます。
今回は、8大学から12名の参加者を迎えました。
■研修1日目
研修は佛教大学の松本真治先生の「FD・大学教員のキャリア開発」の講義から始まりました。
松本先生が海外視察に参加したイギリスのFDと比較して、FDの始まりとその後の経過、そして現在の状況を解説していただきました。
そして講義の最後に、研修に参加する意義は新しい情報を得るだけではなく、人脈を広げたり、将来自分が講師となる、あるいは後輩を指導するようになる為でもあると述べられ、後につづくアイスブレイクや他講義をさらに盛り上げることとなったように感じました。
アイスブレイクと休憩をはさみ、第2講義は立命館大学の安岡高志先生の「授業デザインのための基礎知識・ワークショップ」でした。
安岡先生の普段の授業に倣い、「起立!礼!」から始まりました。会場の空気がぴしりとひきしまったように感じられました。
講義は主にシラバスについて展開され、シラバスの役割やシラバスを活用するための授業の仕方や教師像などについて語られました。講義中も積極的に質問があがり、参加者の先生方の熱心な様子がうかがえました。
続くワークショップは、参加者の先生方がご自身のシラバスを使用し、授業の到達目標を見直してシラバスを改善、その内容を発表するというものでした。
そして、「起立!礼!」。研修の1日目が終了しました。
■研修2日目
研修2日目は、京都大学障害学生支援ルームの村田淳先生の講義、「学習支援・特別支援のための基礎知識・ワークショップ」で幕を開けました。
そもそも障害とは何かということから、大学における障害のある学生のお話をしていただき、今回は発達障害のある学生について詳しく解説していただきました。京都大学での事例を基に、支援のタイミングや支援方法などを説明していただきました。
また情報伝達ゲームを通して、発達障害のある学生とのコミュニケーションの取り方を解説していただきました。参加者の先生方もゲームを通じて構造的な説明の仕方や発達障害のある学生がどのように物事を考えているか、「自分にとっての当たり前が相手にとっても当たり前である」と決めつけない、といったことを楽しく学ばれていました。
お昼休憩をはさんで、2日間の最終講義である「学習者中心の授業運営のための基礎知識・ワークショップ」が佛教大学の篠原正典先生によって行われました。
「マイケル・サンデル先生の授業は学習者中心であるか、そうでないか」という問いにより、参加者の先生方の意見を求めながらの講義が始まりました。学生中心の授業とするには「何」を教えるよりも、「なぜ」を教える授業をし、学生の知的好奇心を刺激するよう、具体的な事例を提示することが大切であると教えていただきました。実際に篠原先生がされている授業や、それに対する学生の意見なども紹介していただきました。
ワークショップでは参加者の先生方もご自身のシラバスを見直して、学生主体の授業にするにはどこを変えたらよいかを、他の先生方と話し合われていました。
最後に2日間の研修のまとめとして、参加者が一言ずつ本研修での気づきをふせんに書き出し、グループテーブル内でシェアしたのち、ホワイトボードに貼り出して参加者全員で共有しました。
研修終了後、2日間の全日程に参加していただいた10名の先生方に参加証が贈られました。
以上、大学コンソーシアム京都主催の新任教員FD合同研修≪プログラムA≫の実施レポートでした。
実は、今回のレポートの執筆者ですが、大学コンソーシアム京都にインターンシップ実習生としてきている学生スタッフでした。
教まちやNewsでは今後、大学コンソーシアム京都が窓口となって行っているインターンシップ・プログラムについてもご紹介をしたいと思います。今回のレポートを執筆していただいた学生スタッフの様子を中心にお伝えする予定です。お楽しみに。