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SDGsレポート第1回:「龍谷大学 仏教SDGsと性の多様性を認めあうキャンパス」

■大学コンソーシアム京都 加盟校 SDGsレポートはじめました!

2015年の国連サミットで採択された持続可能な開発目標(SDGs)の達成に向けた取組が大学でも広がりを見せています。


 

201811月には中央教育審議会がまとめた「2040年に向けた高等教育のグランドデザイン(答申)」でも言及され、「Times Higher Education」の世界大学ランキングで2019年からSDGsの枠組みを使った「University Impact Rankings」が発表されるなど、大学でもますます機運が高まっています。

 

大学コンソーシアム京都の加盟校にもSDGsに関わる様々な取組が見られます。そこで、各加盟校の取組をシリーズで紹介してきます!

 

初回は「仏教SDGs」に取り組んでいる龍谷大学の「目標5 ジェンダー平等を実現しよう」につながる取組を紹介します。

(紹介者:龍谷大学 宗教部 安食様)

■仏教SDGs

龍谷大学は、今年、創立380周年を迎えました。龍谷大学の建学の精神は浄土真宗の精神です。これまで積み重ねてきた、建学の精神を具現化するための取り組みを、「誰一人取り残さない」というSDGsの理念に重ね、「仏教SDGs」として展開していこうとするのが龍谷大学の特長です。SDGsに関する活動は各大学でおこなわれていると思いますが、それぞれの個性を活かしながら、互いに響きあい尊重しあうことでSDGsの目標達成に近づいていけるのではないかと考えています。本稿では、さまざまな活動の中から、特徴的な取り組みのひとつである「性の多様性を認めあう文化の醸成」について紹介します。

■性のあり方の多様性に関する基本指針

龍谷大学は、「性のあり方の多様性に関する基本指針」を策定しています。これは、多様な性のあり方を認めあい、一人ひとりの悩みや生きづらさに寄り添い、セクシュアルマイノリティ当事者の目線に立って対応していこうとする指針であり、龍谷大学のすべての構成員を対象としています。先行して取り組んでおられる大学の情報を参考に、学生の意見なども聞いて作り上げたものです。

(リンク https://www.ryukoku.ac.jp/shukyo/committee/sexuality_guideline.html


この基本指針のもと、性別に関係なく使用できる多目的トイレを「だれでもトイレ」に名称を変更したり、証明書の性別記載を廃止したり、研修会やシンポジウムを開催したりするなどの取り組みがはじめました。


これを受けた成果として、学生や教職員のSOGI(※)に関する意識の高まりが挙げられます。性の多様性をテーマにFDや学内研修会を開催したり、授業で取り上げることも増えており、これに比例して、学生からの問合せやヒアリングを受ける機会も増えています。現時点ではまだまだ小さな動きですが、学生自らが考え、ゼミなどで発表をすることにより、性の多様性を認めあう文化が少しずつキャンパスに浸透し、やがて社会に広まっていくことに期待しています。


「だれでもトイレ」の表示の一例


(※)SOGI(そじ、そぎ)

Sexual Orientation(性的指向)とGender Identity(性自認・性同一性)の略称。
Sexual Orientation
は、異性や同性あるいは両性や全性への恋愛や性愛に関する概念です。Gender Identityは、自分の性をどのように認識しているのか、どのようなアイデンティティ(自己同一性)を自分の感覚として持っているかを示す概念です。服装や話法、振る舞いといった性の表現などもこれに含まれます。

■仏教活動奨学金(懸賞企画)制度の活用

建学の精神に根ざした自主的活動をおこなう学生を支援する「仏教活動奨学金(懸賞企画)」という制度があります。企画の主旨や実現性、他の学生や社会への還元性を総合的に評価し給付する自主応募の奨学金ですが、最近では、SDGsにつながる活動を企画する学生の応募が増えています。SOGI関連の企画では、たとえばヒューマンライブラリがあります。ヒューマンライブラリは、人が「本」になり「読者」に語りかける対話型のイベントで、セクシュアルマイノリティを含む多様なマイノリティ学生や卒業生らが本となって、参加者に自らの経験を語りかけ反響を呼びました。その他、性の多様性について知ってもらうためのコミュニティラジオ番組を放送する企画や学生自らが啓発リーフレットを作成する企画などが採択され、実現に向けた活動が続けられています。


仏教活動奨学金(懸賞企画)に採択された

ヒューマンライブラリのポスター

■SOGIカフェ(そじかふぇ)

性的指向や性的アイデンティティについて自由に話し合う茶話会「SOGIカフェ」を半期に一度のペースで開催しています。人権啓発を担当する宗教部が主催、教職員の有志が世話人となって運営しています。毎回テーマを決め、「話したい人が話す」という自由な雰囲気が特徴で、学生・教職員、セクシュアリティやジェンダーにかかわらず誰でも参加できます。SOGIカフェは、何かの結論を導き出すものではなく、参加者自身が安心できる場所であること、気づきのきっかけになることを目指していますが、その一方で、大学としても学生や当事者の声に直接耳を傾ける機会ともなっています。現在、試行的に実施しているジェンダー・セクシュアリティ相談も、SOGIカフェ参加者の声から実現したものです。



SOGIカフェの案内ポスター

■多様な連携と展開

性のあり方の多様性について様々な発信をしていく中で卒業生との交流が生まれ、セクシュアルマイノリティ当事者のロールモデルともいうべき「大学生のためのLGBTQサバイバルブックVol.1 先輩たちのライフストーリーズ」という冊子を発行することができました(希望者に無料で送付中)。今春にはVol.2を発行し、現在はVol.3を計画中です。また、学生が中心となって、性の多様性をお祝いするアジア最大級のイベント「東京レインボープライド」にも初出展し大きな刺激と学びを得ました。


これらのご縁がさらなるご縁となり、多様なマイノリティの生きづらさや悩みに対する取り組みへと波及していきます。龍谷大学は、今年、市民による市民のためのフォーラム「AIDS文化フォーラム in 京都」の会場を引き受けることになりました。AIDSの予防・啓発を中心に、HIV/AIDS陽性者の生き方や、多様な性に関する問題、薬物依存からの回復など様々な課題について学び、さまざまな人々が暮らしやすい社会をめざすフォーラムで、本学の学生や教職員も積極的に参画する予定です。

SOGIカフェの案内ポスター大学生のためのLGBTQサバイバルブックVol.1

先輩たちのライフストーリーズ


SDGsでは、17の目標に向けてそれぞれが連携していくことが求められています。各大学が特色ある活動を推進し、社会に発信していくことで小さな活動が結ばれ、やがて大きなうねりとなって誰もが過ごしやすい持続可能な社会の実現に貢献できることを願っています。


性の多様性を認めあう龍谷大学の取り組みについては、以下のホームページをご覧ください。

https://www.ryukoku.ac.jp/shukyo/committee/sexual_minority.html

 

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