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「加盟校レポート」7 地域と行政と大学が提供する「身近な夏の不思議体験2015イン山科」:京都薬科大学 有本收先生

■小学生の実験体験プログラム

こんにちは。教まちや事務局です。

今回は、加盟校レポート第7弾。

ご担当いただくのは、京都薬科大学 物理学分野 教授 有本收先生です。

京都薬科大学と山科区「人づくり」ネットワーク実行委員会が主催している小学生のための理科実験講座「身近な夏の不思議体験2015イン山科」についてご紹介していただきます。



2011年から開催され、2015年で5年目を迎えるこのイベント。

今回は89日(日)に京都薬科大学 躬行館Q35実習室にて開催されました。

レポートをご担当いただく有本先生とともに、事務局スタッフも見学に行ってきました。

取材にご協力いただいたのは、京都薬科大学 学生実習支援センター長北出達也教授をはじめとするセンターの皆様と、企画・広報課の神田さんです。

それでは、宜しくお願いいたします。

■小さな科学者たち

「身近な夏の不思議体験2015イン山科」は山科区の小学校13校に通う小学4年~6年生を対象に行われたイベントです。

今回は午前の部・午後の部の2回、合計120名の小学生が参加しました。

午前の部・午後の部ともに実験の内容は同じです。

「ヨウ素デンプン反応」をテーマに3つの実験を行いました。

実験1.なぜおもちはのびるの?

身近な食べ物である“お米”ですが、同じお米でも、もち米、うるち米、タイ米はそれぞれ含まれているデンプンの種類、割合が異なります。

それぞれのお米の「ヨウ素デンプン反応」の色を確認して、おもちがのびるわけを知ってもらおう、という実験です。



実験2.「だ液」はスゴイ!

「だ液」には「デンプン」を分解する「アミラーゼ」という成分が含まれています。

「ヨウ素デンプン反応」を活用することで、「デンプン」が「アミラーゼ」によって分解されたかを調べてみよう、という実験です。


 

実験3.電気の力で紙に字を書いてみよう

「ヨウ化カリウム」溶液の中には「ヨウ素イオン」が含まれています。「ヨウ化カリウム」溶液に電気を流すと「ヨウ素イオン」から「ヨウ素」ができます。

そうやってできた「ヨウ素」と「デンプン」の「ヨウ素デンプン反応」を利用して、紙に文字や絵を書いてみよう、という実験です。



実験セットは1人に1セットずつ用意されています。白衣と安全メガネまで用意されており、子どもたちは見た目も立派な科学者として実験に臨みます。



この実験セットはイベント終了後に全て持ち帰ることができ、家に帰ってからも復習や応用実験ができるようになっています。時期的に、夏休みの自由研究に活用することもできるように工夫されています。

 

約1時間30分、参加者の子どもたちが楽しそうに実験に熱中している様子がうかがえました。そして、イベントは盛況のうちに終了しました。

■イベント直後のスタッフインタビュー

イベント終了後のお忙しいところ、京都薬科大学北出達也先生をはじめとする学生実習支援センターの皆様と、企画・広報課の神田さんがインタビューにご協力くださいました。

 

有本先生(以下、有):実は今回初めて見学させていただいたのですが、参加者の小学生たちが楽しんで実験している様子がとても印象的でした。山科区「人づくり」ネットワーク実行委員会との共催ということですが、会場の各テーブルで小学生のフォローをされていた実験スタッフの方々の中には学外のボランティアの方たちがいらっしゃるんですね。

京都薬科大学学生実習支援センター(以下、セ):はい。山科区のボーイスカウトや民生委員や他には退職された校長先生など様々な方々にご協力いただいています。

有:今回で5年目とのことですが、イベントを行うきっかけというのはどのようなことだったのでしょうか。

セ:きっかけは“山科区「人づくり」ネットワーク実行委員会”から声をかけていただいたことです。最近の小学校の授業では実験の時間がどんどん少なくなっています。そこで実験を通じて子供たちに理科の面白さを提供することで、理科に興味を持つきっかけにしてもらい、理科好きな生徒のすそ野を広げたいという思いから始まりました。
2年目となる2012年から14年までの3年間は、山科“きずな”支援事業補助金交付対象事業として自治体からの支援もいただくことができました。



有:イベントの形式など回を重ねるごとに変化した部分もあると思うのですが。

セ:当初は会場が実習室ではなく、講義室でした。というのも、今回のように12回開催ではなく1回の開催で参加人数は変わらず120名程度でした。ですので、収容人数の都合上講義室を使用し、会場の都合上できるだけ液体を使用しない光をテーマにした物理的実験を行っていました。
但し、それは1回目のみで2回目からは実習室を利用した現在のスタイルになりました。

    また、参加対象の学年も変化しています。1,2年目は16年生が対象でしたが、3,4年目は36年生になり、今回は46年生が対象となりました。



有:毎回のテーマや実験などの企画内容はセンターの皆さんで考えているのですか。

セ:はい。何度も予備実験を行い、検討を重ねて委員会へ企画の提案を行っています。

企画設計の際に考慮しているのは、安全面とともに、実験のレベルと参加対象者のレベルのバランス、見た目にわかりやすい効果が出るかということです。でも、最初に悩むポイントは1時間程度の実験時間でいくつの実験を行うかということです。今回は2つでは時間が余ってしまうかなと思い3つの実験を行いました。

実は、今回から新たな試みとして実験ワークシートを取り入れました。「単純に実験を行い、結果が出た」ということにとどまらず、実験の結果はこういうことなんだよという考える道筋まで示し、自由研究につなげてもらいたいという思いからです。ところが、初めてのワークシート導入で勝手がつかめず多少時間オーバーをしてしまいました。今後の課題ですね。

有:時間オーバーということですが、参加の子どもたちはとてもスムーズに実験を進めているように見えました。開会の挨拶や自己紹介を含めて1時間半というと子どもたちの集中力が続かないのではないかとも思っていたので感心しました。各テーブルについていた実験スタッフの方々のおかげでしょうか。

セ:実験スタッフの方々の協力にはとても感謝しています。今回初の試みとしてもう一つ、事前に実験スタッフのワークショップ(リハーサル)を行いました。あくまでもボランティアですし、強制ではなかったのですが、ほぼ全員の方に参加いただきました。安全確認のために実験をやるというのはもちろんですが、司会進行役の使う単語や言い回しが子どもにも理解できるものか、などのアドバイスももらえる大変貴重な場になりました。参加した実験スタッフからもワークショップへの好意的な感想をもらうことができました。





有:では最後に、この企画を続けて良かったと思うこと、今後の抱負についてお聞かせください。

セ:大学としては、参加者アンケートを通じて、地域の方々が本学に対してどのようなイメージを持っているかを知ることができたことで、地域に根差した大学になるためのヒントを得られたことは良かったと思います。参加者からは、山科区内の違う学校の参加者とのつながりができたという声を聞いています。

     今後は、京都薬科大学ならではの薬学が身近に感じられるような実験を企画してみたいですね。また、このようなイベントを企画・運営することで得られた気付きや経験をさらに本学学生の学びにつなげたいとも考えています。

■大学・地域・行政の連携

京都薬科大学の有本先生、学生実習支援センターの皆様、企画・広報課の神田さん、ありがとうございました。

 

大学・地域・行政がうまく連携して子どもたちのためのイベントを実施していることは素晴らしいと思いました。

なお、この取組が評価され平成26年度には「子どもを共に育む京都市民憲章」実践推進者・育ち学ぶ施設部門の表彰を受けたそうです。

 

来年はどんな実験が行われるのでしょうか。

イベントに参加した子供たちは「また来年も参加したい」と言っていましたが、スタッフも来年が待ち遠しくなってきました。

 

以上、加盟校レポート:京都薬科大学編をお送りしました。

 

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