京都学園大学 京都太秦キャンパス―2015年4月誕生―(後編)
■学生チャレンジショップ『京學堂』
こんにちは。教まちや事務局です。
前回に引き続き、京都学園大学 京都太秦キャンパスレポートをお送りします。
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続きまして事務局スタッフは、京都学園大学の菅事務局長と広報課の高橋課長のご案内で『京學堂』へとやってまいりました。
入口の扉に“学生チャレンジショップ”とあります。
この学生チャレンジショップ『京學堂』は京都学園大学の経済経営学部が主催し、授業の一環として学生が主体的に運営しています。学生が起業にチャレンジし、経営や店舗運営に関するノウハウを身につけるのが狙いだそうです。
取り扱っている商品は、クッキーやケーキなどの地域・福祉施設と連携した手作りのお菓子をはじめ、ペンなどの文具や雑貨など。
これらの商品は学内のビジネスプランニングコンテストで選ばれたアイデアを基に開発しているそうです。
店員ももちろん学生さんです。事務局スタッフにも商品を説明しながら試食を勧めてくれます。
というわけで、スタッフもついついお買い上げしちゃいました。
『京學堂』のネーミングですが、“京都学園大学”の「京学」と“堂々とする”の「堂」を組み合わせたそうです。「学」という字を旧字体にしたのは“学の基となったもの”=“基本を学ぶ”という意味が込められているそうです。
この学生ショップを通じて、学生が経営の基本を学び、堂々と店舗運営ができる力を 京都学園大学で身につける、という由来だそうです。
事務局(以下、事):学生さんの商品説明もしっかりしていて、“商品に自信あり”という感じでしたね。また、楽しみながらやっている雰囲気が伝わってきました。
京都学園大学(以下、学):現在(※取材日は4月28日)『京學堂』はプレオープンの状態で、5月24日(日)のオープンキャンパスに合わせてグランドオープンします。その際はテープカットも行いたいと思っています。『京學堂』は教学の側面もあり、京都市内の集客が見込めて、なおかつ競争の激しいマーケティングにさらされるのは学生には良い環境だと思っています。この京學堂以外にも近くの京都ファミリーさんでの出店や、近隣の大学さんとのコラボなども計画をしています。
■公式キャラクター『太秦その』
事:今日は地下鉄で来たんですが、こちらに到着するまでの間に公式キャラクターである『太秦そのちゃん』に何度もお目にかかりました。太秦天神川駅が近づいた車内ではそのちゃんのアナウンスも流れていましたね。
学:はい。その他にも駅構内では“大学に一番近い出入り口まであと○m”といった掲示をしてくださったり、地下鉄の柱にも掲示してもらったり、京都市営地下鉄さんには大変ご協力いただきました。実は大学が公式キャラクターや広報をアニメにすることについて、ご批判を受けるかと覚悟していたのですが、もともと京都市営地下鉄にアニメキャラクターがあり、コラボさせてもらったという形が良かったのかはわかりませんが、それほどクレームめいたものはありませんでした。どちらかというと受け入れてもらったのではないかと認識しています。
事:2015年度入試で前年に比べて大きく受験者数を増やしたのは、そのちゃんが一役を担ったといっても過言ではないのでしょうか。
学:ダブルキャンパス化や、学部再編から新学部設置もしました。広報でも力を入れて、テレビCMを行いました。その中で『太秦その』というキャラクターの存在は大きかったと考えています。京都学園大学は変わったと受験生の皆さんにも認知してもらえたのだと思います。そのちゃんと一緒にまだまだ頑張りたいと思います。
■未来像は「地域に生き、活かされる大学」
事:これだけの事業を一気に行うのは、さぞかし大変だったのではないでしょうか。特に苦労された点はありますか。
学:新キャンパスを作り、新学部の申請を行い、既存学部の再編というのは、新しく大学を作るのと同じくらいの労力を要したと思っています。特に、2年生以上は別のカリキュラムで動いておりますので、倍のカリキュラムを作成しなければなりません。そういった意味では大学を作るより大変だったかもしれません。最近になってようやくひと段落ついたかな、といった感じです。
事:今後の京都太秦キャンパスの展望についてお聞かせください。
学:大学としては京都市内へのキャンパス設置は、長年の構想でもありました。受験生の確保や通学面での利便性等が有利ですので。ただ、京都太秦キャンパスの敷地には限りがありますので、すべての学部を移すわけにはいきません。例えばバイオ環境学部は既存の研究施設が充実していますので亀岡キャンパスからの移動は考えておりません。
将来的には、現在の“L”の字型から最終的には中庭を作るように“ロ”の字型に建物を配置してキャンパスを作りたいと考えております。
事:新学部で完成年度を迎えるのが楽しみですね。本日は、ありがとうございました。
お話を伺うにつれ、京都学園大学が京都市内にキャンパスを設けるにあたり、たくさんの苦労があったのだと改めて感じました。地域に根差したキャンパス作りや、行政との協力体制、特に交通局との取組は広報面でも効果的だったとのことで、綿密な打ち合わせが実った結果だと思います。
地域と行政と大学。一体になって作られたキャンパスはまだまだ始まったばかりで、試行錯誤とのことですが新たな都市型教育研究機関として、期待できますね。
京都学園大学の菅事務局長、高橋課長、取材へのご協力ありがとうございました。
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以上、前編・後編の2回にわたり京都学園大学 京都太秦キャンパスレポートをお送りしました。
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