トップページ ニュース 大​学​コ​ン​ソ​ー​シ​ア​ム​京​都​:​高​大​連​携​事​業​と​し​て​行​う​キ​ャ​リ​ア​教​育​企​画​「​ま​る​っ​と​ー​く​」

大​学​コ​ン​ソ​ー​シ​ア​ム​京​都​:​高​大​連​携​事​業​と​し​て​行​う​キ​ャ​リ​ア​教​育​企​画​「​ま​る​っ​と​ー​く​」

2016 / 11 / 19 / 土

■「まるっとーく」は、学ぶひとが集う「場」です
こんにちは。教まちや事務局です。
今回の教まちやNewsでは、大学コンソーシアム京都が高大連携事業として行っているキャリア教育企画のひとつである「まるっとーく」についてご紹介します。
京都には、数多くの大学・短期大学がありますが、そのほとんどが京都府南部に集中しています。「まるっとーく」は、大学について知る機会や大学生と接することが少ない京都府北部地域の高校生を対象にキャリア形成の一助となる企画として、2012年から大学コンソーシアム京都が京都高大連携研究協議会の事業として実施してきました。
そして、事業開始から5年目を迎える今年度は、北部地域に限定せず京都府内の高校生が加盟大学の教員や学生及び社会人と交流することにより、大学での学びを知り進学意欲を喚起するとともに、自分の将来を設計する一助としてもらうことを目的として実施しています。

※京都高大連携研究協議会は、京都府教育委員会・京都市教育委員会・京都府私立中学高等学校連合会・京都商工会議所・公益財団法人 大学コンソーシアム京都で構成され、京都で学ぶ生徒・学生に真の学びを提供し、将来の社会を担う人材育成に取り組み、高大連携教育の高度化と地域貢献をめざしています。

「まるっとーく」の最大の特徴は、「場」づくりを担うのが大学生であることです。高校教員が高校生に学ばせたいことを「まるっとーく」の「ゴール」として設定し、「ゴール」に向けてのワークを大学生が設計します。大げさではなく授業をつくり、そして「場」の運営を行います。高校生からすると、大学生の活動に触発され、大学での学び方に意欲が掻き立てられたり、大学生への憧れが身近になるなど、「ゴール」を獲得するだけでなく「学び方」を学ぶことにもつながっています。

さらに、そこに地域の方の視点が加わることで、高校生にとっても大学生にとっても現実味を帯びた内容となり、「ゴール」をじぶんごととして獲得でき、高校生とその地域の方々の距離を縮める効果も生まれます。
このような副次的効果をも期待しているため、高校の先生方には、企画・運営を大学生に全面的に任せていただくようお願いしています。「まるっとーく」は、高校の先生方のご理解や地域の方々のご支援によって実施することができているのです。

■大学生が企画・運営するとこうなります
1015()に京都府立須知高校で実施した際には、「高原がキャンパス!須高生と京丹波のステキをみつけよう」というテーマのもとに、地域の魅力や自分の将来について気づきを得ることをゴールとして、企画が始まりました。
丹波高原にキャンパスをもつ、自然豊かなこの高校では、普段から地域学習を積極的に行っています。そこで、大学生達は「よそ者の大学生がそこに行くからこそできることをしよう」と考えました。高校生の地域学習がより一層意欲的になるようにと考えたわけです。そうして生まれたのが、「須知映画村」というワークです。須知地域を、いつもとは違う視点から見てその魅力に気づくようにと考え生まれたワークです。

このワークは、「もし、須知地域でホラー映画を撮るとしたらどんなストーリーになるだろう?」、「ジブリ風ならどう?」「アクション系は?」と高校生に問いかけ、独自に作成した「起承転結シート」を使って、グループワークでストーリーを考え、その後、発表して共有するというものでした。
「須知映画村」を行うにあたって、前日、大学生達は須知地域をサイクリングでめぐりました。滝に癒されたり、神社の空気を肌に感じたり、あぜ道を美しいと感じたり...非日常的な時間にゆっくりとなじんでいきました。そして、宿泊所で、本番に向けたミーティングを夜遅くまで、眠くなると体操して目を覚ましてから再開し、みっちりと準備を行いました。

そして迎えた当日、アイスブレイクで和んだ雰囲気になったあと、高校生が自らの表現力や思考力を高められるように、「ジグソー法」を用いて須知地域の基本情報を知識として得るグループワークを実施しました。基本情報となる資料は、京丹波町役場の方から提供していただきました。高校生は、事前に手分けして予習していた須知地域の基本情報を、この地域を初めて訪れた大学生達へ説明します。大学生達は、一つの説明が終わると次のグループで別の内容の説明を受け、こうして須知地域の基本情報の全貌が徐々に理解できることになります。このワークでは、京丹波町役場の方の助けもあり、高校生もとてもしっかり発表してくれました。

こうした中、メインワークとなる「須知映画村」が大学生によって運営されました。高校生にとって、普段の学校生活にない内容でしたが、とても楽しく取り組むことができ、「京丹波町民なのに京丹波町についてわからないことがたくさんあった。もっと京丹波町を知ろうと思った」「須知映画村ではアイデアがたくさん出てきて、本当に映画になったらおもしろい」という感想を聞くことが出来ました。

■非日常的な取り組みに後々気づきがある
「まるっとーく」は、毎回、必ず大学生チームの振り返り会を行います。そもそも大学生チームは、企画毎に自ら集まった大学生で結成され、口コミで広がっていきますが、須知企画の振り返り会で、ある大学生は、「見ず知らずのメンバーが集まって、高校生のために企画をつくる楽しみがある」と話しました。「学年も大学も違うメンバーが、高校生のための企画を作る中で、いろんな人のいろんな生き方に出会えたと、後々気づいた。」と振り返ったのです。

参加したほとんどの大学生が、振り返り会で「“まるっとーく”って何だったのか?」と考えます。特に問いかけなくても、自然にその問いに行きつきます。もちろん、この問いに正解などありません。大学生達がそれぞれに、自分の言葉で話そうとします。
2016年度は、須知高校以外にも、網野高校・久美浜高校・大江高校でも「まるっとーく」を行っています。「まるっとーく」についての詳細は、大学コンソーシアム京都公式HP内でご覧いただけます。http://www.consortium.or.jp/project/kodai/career-program

 

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