トップページ ニュース 京​都​工​芸​繊​維​大​学​ ​男​女​共​同​参​画​へ​の​取​り​組​み​(​K​I​T​男​女​共​同​参​画​推​進​セ​ン​タ​ー​第​1​0​回​セ​ミ​ナ​ー​「​ダ​イ​バ​ー​シ​テ​ィ​時​代​の​キ​ャ​リ​ア​―​未​来​を​拓​く​自​分​を​い​か​す​選​択​―​」​)

京​都​工​芸​繊​維​大​学​ ​男​女​共​同​参​画​へ​の​取​り​組​み​(​K​I​T​男​女​共​同​参​画​推​進​セ​ン​タ​ー​第​1​0​回​セ​ミ​ナ​ー​「​ダ​イ​バ​ー​シ​テ​ィ​時​代​の​キ​ャ​リ​ア​―​未​来​を​拓​く​自​分​を​い​か​す​選​択​―​」​)

2017 / 1 / 13 / 金
京​都​工​芸​繊​維​大​学

■京都工芸繊維大学の男女共同参画事業
こんにちは。教まちや事務局です。119日(水)、京都工芸繊維大学KIT男女共同参画推進センター主催の第10回セミナー「ダイバーシティ時代のキャリア―未来を拓く自分をいかす選択―」にお伺いしました。
同大学では、男女共同参画に向けた事業を積極的に実施しており、2013年にはKIT男女共同参画推進センターが発足しました。同センターでは、社会で活躍する女性を講師に招いてのセミナーの開催や、女子中・高校生を対象としたサイエンス体験講座など、これまで以上に女性が活躍できる社会の実現に向けて、様々な事業を行っています。
そこで、まずは同大学の男女共同参画に向けた取り組みや、同センターについてご紹介したのち、今回のセミナーの取材レポートを掲載したいと思います。

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同大学では、政府が「女性の活躍推進」を成長戦略の中核に位置づけ、社会のあらゆる分野において指導的地位に占める女性の割合を2020年までに少なくとも30%程度とする目標を立てていることを踏まえ、大学として、「管理職等の指導的地位への女性登用を推進し、役員のうち1名以上、管理職の25%以上を女性で登用する」という目標を掲げ、「女性の職業生活における活躍の推進に関する法律」に基づく行動計画を策定し、実現を目指しています。
また、出産、育児または介護などのライフイベントと研究を両立させるための環境整備や、女子学生のキャリアパス支援など、若手研究者の裾野拡大等を行っており、その取り組みが平成24年度文部科学省科学技術人材育成費補助事業「女性研究者研究活動支援事業」に採択されました。

■KIT男女共同参画推進センターの取り組み
男女共同参画の新しい社会に向かって、仕事と生活の調和(ワーク・ライフ・バランス)に配慮した教育・研究および環境づくりが求められている中、KIT男女共同参画推進センターは、京都工芸繊維大学の男女共同参画推進の拠点として設立されました。
同センターでは、コーディネータの配置をはじめとする女性研究者支援体制の充実や教育研究環境の整備のほか、「研究活動とライフイベントの両立支援」・「男女共同参画に向けての意識啓発活動」・「女性研究者ネットワーク構築」などを活動の中心におき、女性研究者の採用・登用・育成の加速や、男女ともにワークライフバランスを推進し、学内外の連携・協力のもと男女共同参画の一層の充実を図っています。
また、センター内に女性教職員や女子学生の交流の場である「KIT交流サロン」を設けており、意見交換や情報共有、キャリア相談など、女性同士で気軽に話し合うことができます。グループワークやランチミーティングなどをとおして、分野を超えた学内外の繋がりを促進しています。


■KIT男女共同参画推進センター第10回セミナー
今回取材させていただいたセミナー、「ダイバーシティ時代のキャリア―未来を拓く自分をいかす選択―」では、プラスチック製品取出ロボットで業界トップシェアを誇る京都の企業、「株式会社ユーシン精機」の小谷眞由美代表取締役社長と、大学で脳研究を行っている若手研究者であり、同大学卒業生の堀井謹子氏に、ダイバーシティ(多様性)が求められる時代の理系の仕事やキャリアデザイン、仕事と生活の両立(ワークライフバランス)についてのお話を伺いました。

講演I:「できない、無理だ、は出発点―グローバル展開への挑戦」
小谷 眞由美 氏(株式会社ユーシン精機 代表取締役社長)

株式会社ユーシン精機は、1971年に小谷眞由美氏の夫、小谷進氏が創業されました。社名ユーシンの由来は、「有信」、「信用の有る会社」でありたいという小谷進氏の思いを表したものだそうです。ご夫婦と社員二人から始まった小さな会社は、確かな技術力と「他社より半歩先を行く」発想で、プラスチック製品取出ロボットで業界トップシェアを誇るまでになりました。2002年からは、小谷眞由美氏が代表取締役社長に就任されています。
会社としての方針で、些細な約束も守る・納期厳守ということを掲げられており、関係先との信頼関係を第一に考えておられるという点においては、どのような仕事にも通じる理念だと感じました。また、講演の中で、社訓である「品質は社運を決める」・「できない、無理だ、は出発点」・「ひとつのテーマには、少なくとも7つの解決法を考えよ」が紹介されましたが、いずれもとても共感できるものであり、参加者からは、自分の研究室でもスローガンとして掲げたいとの声もあがりました。

小谷氏は昨年2月、米経済誌フォーブス「アジアのパワフルな女性経営者50人」に選出されました。「夫婦だけでは」・「女性経営者では」といった先入観や偏見をものともせず、新しい挑戦を続けてきた小谷氏の人間的なパワーやおおらかさも見習いたいところだと感じました。

講演Ⅱ:「働いてわかること―道はない・踏めばできる」
堀井 謹子 氏(奈良県立医科大学 第1解剖学教室 講師)

堀井氏は、京都工芸繊維大学繊維学部応用生物学科を卒業され、同大学院で博士号を取得したのち、奈良県立医科大学寄生虫学教室の助教・第一解剖学教室の助教を経て、現職を務められています。平成25年には第40回日本神経内分泌学会若手研究奨励賞、今年は121回日本解剖学会総会・全国学術集会において奨励賞を受賞するなど研究に励む傍ら、2児の母親として育児もこなし、多忙な日々を送っておられます。講演では、ご自身の大学時代の体験や恩師からの言葉、社会にでてからの体験を振り返り、そこで得た教訓や、出産後、仕事と子育てを両立するなかで感じていること・経験されていることについてのお話がありました。
堀井氏自身、出産に際して、研究を止めるという選択肢があることを認識して初めて、自分が好きで研究を行っているということを強く自覚したことが、自分のキャリアの中での大きな出来事だったそうです。そういった体験もあり、「好きな仕事をする」、もしくは「仕事を好きになる」ことが重要だというアドバイスには、非常に説得力がありました。また、来場者に向けた、「選択の際は不安も伴うが、周囲に流されず、自分がどうしたいかという思いを大切にしてほしい」・「楽な道に行くのではなく、困難そうでも望む方へ通じる道を選び、たくましく進んでほしい」という力強いメッセージが強く印象に残りました。



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今回のセミナーは、特に学生にとって就職や将来の生き方について考えるうえで大変参考になる内容で、多様なキャリアをもち、第一線で活躍されている講師の方々のお話に熱心に耳を傾けていました。当日はこの秋一番の冷え込みとなり、外は冷たい雨が降っていましたが、講演後に行われた意見交換会(交流会)は暖かく和やかな雰囲気の中、女性のキャリア等について講師の方々と参加者の会話も弾み、盛況のうちに閉会しました。
取材をとおして、今後よりいっそう男女共同参画が進み、性別を問わずひとりひとりが自分の道を進み、そして持てる力をいかんなく発揮することがより活気のある社会の実現につながっていくのだと強く感じました。

今後も、KIT男女共同参画推進センターを中心とした、京都工芸繊維大学の男女共同参画に向けた地道な取り組みに注目していきたいと思います。

※大学コンソーシアム京都でも、「ガールズキャリアトーク」と題した、女子学生を対象にしたキャリア教育企画を実施しています。例年、社会で活躍する女性からのロールモデルの紹介や、参加者間でのワークショップを行っています。今年度は20172月18日(土)に開催しますので、興味のある方は是非お越しください。

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