「スタッフレポート」2:京都文教大学 準正課教育「UNGL」(アングル)
■スタッフレポート第2弾です!
こんにちは。教まちや事務局です。
今年度から始めた「スタッフレポート」ですが、おかげさまで2回目を迎えることができました!
やや強引に始めてしまった感が否めず、2回目を引き受けてくださる方が見つからなかったらどうしよう・・・と不安を感じ始めていた頃、次のバトンをお渡しする方が見つかりました!
京都文教大学教務課の垣鍔(かきつば)さん、ありがとうございます。
ということで、今回は、教まちやNewsに大学として初登場となる京都文教大学編です。
京都文教大学が西日本の大学と連携して行っている大学間連携共同教育推進事業「UNGL」(アングル)についてレポートしていただきます。
先日学内で実施された学生による報告会の様子とあわせてご紹介いただきます。
いったいどのようなプログラムなのでしょうか。
■はじめに
京都文教大学教務課の垣鍔(かきつば)と申します。
佛教大学の水谷さんより、居酒屋でバトンを受け取り、「スタッフレポート」第2弾を担当させて頂くことになりました(笑)。
今回は「京都文教大学での準正課教育」についてお話しします。
■京都文教大学での準正課教育について
京都文教大学には、「正課教育」(授業)や「正課外活動」(クラブ・サークル活動等)とは別に「準正課教育」(単位認定のない教育的活動)があります。
本学の準正課教育の取組の1つとして「UNGL」(アングル)があります。
2012年に採択された大学間連携GP『西日本から世界に翔たく異文化交流型リーダーシップ・プログラム』のことで、愛媛大学を代表校として19大学が連携しています。
3日間~2週間の様々なレベル別のプログラムがあり、大学・学年・性別を越えたグループで行う協働型研修が特徴です。異なる価値観を持った仲間との協働は、軋轢や葛藤を生むこともあります。また、ハードルが高く、一人では解決できないミッションがどのプログラムにも用意されています。それらによって、参加学生の多様な能力の成長を促進し、地域や国際社会で活躍できるリーダーシップの素養を身につけることを意図しています。
UNGLプログラムの中で、「リーダーシップ・チャレンジinサイパン」ほど人気で有名なものはありません。毎年2月末~3月初めに、連携校19大学から60名以上の学生が参加しています。
主に
①サイパンの公立小学校・中学校での教育実習(1週間)
②現地教職員宅へのホームステイ
③祭りや踊り、歌などのプログラムを企画して、日本文化を紹介する「ジャパン・フェスティバル」の企画運営
という3つの活動で構成されています。
UNGL連携校の教職員・学生スタッフが参加学生の活動を見守り、毎日のリフレクションを通じて、次の日への気づきや学びへ変えることをサポートします。その積み重ねが、参加学生の成長につながり、また同時に、教職員や学生スタッフの能力開発にもつながります。
■「リーダーシップ・チャレンジinサイパン 参加学生報告会」の実施について
先日、「リーダーシップ・チャレンジinサイパン」に参加した本学学生の報告会を行いました。
4名の参加学生と1名のアドバイザー学生が自主的に企画し、2カ月以上前から、週1回定例でミーティングを持ち、準備を進めました。
決して楽しいことばかりではなかったサイパンでの1週間。
「英語ができない中で、どうやって授業をするのか?」
「初めて会う他大学のメンバーと、ジャパン・フェスティバルをどう企画するのか?」
もがき苦しみながらも最後までやりとげた結果、サイパンの人々の優しく温かい笑顔が待っていました。チームメンバーと抱擁を交わし、感涙した日々。
「あのサイパンで経験したこの思いを、学内の人たちに伝えたい。」
「学生生活に行き詰まりを感じている人が変わるきっかけになってほしい。」
そんな気持ちがすべての源になり、今回の報告会の実施となりました。
当日のプログラム企画・司会進行だけでなく、ポスター・チラシの作成と、学内への掲示や告知活動も自分たちで行いました。
そして迎えた当日。
予想を上回る聴衆が来場。学生だけでなく、教職員の姿もありました。
参加学生たちは、「授業」「ホームステイ」「ジャパン・フェスティバル」とテーマ別に分担し、経験したことや当時の思いを懐かしみながら、生き生きと熱く語りました。
「スライドに合わせるのではなく、自分の言葉でありのままに伝えてほしい。」
1つだけ、私が事前にみんなに頼んだことをしっかりと本番でやってくれました。
おかげで、スタッフとして一緒にサイパンに同行していたにもかかわらず、私の出番はほとんど与えてもらえませんでした。参加学生がピンチになったときのためにと、いろいろと準備していましたが、不要でした(笑)。
「書類提出を遅らせたりして、出発前、参加できなくなるための理由をずっと探していた。」
「ほんまに苦しくて、泣いたこともあったけど、出会ったばかりの他大学の学生と友達になれて、寝食を共にして、絆が深まった。チームワークって最強やなって思った」
「サイパン行って、変わったと思う。気持ちや行動に余裕を持てるようになった」
帰国直後ではなく、少し時間が空いて報告会を行うことになり、頭の中を再整理すると、「あー、あのとき、こう思ってたよな」とか、「だから、いま、こういうふうに考えられるようになったんやなー」と言葉として具体化されることはたくさんあります。
そういう意味でもリフレクション=自己省察できることは重要なのだと思います。
参加学生のメッセージは、確実に聴衆に響いていました。
最初、眠そうにしていた1年生の中には、中盤くらいから、参加学生の体験談にうなずきながら、目を輝かせて、メモをとる姿も見受けられました。
アンケートには、「良い経験だったんだということがすごく伝わってきた」「来年、参加することを考えたい」との声も多数上がり、一定の成果を得て報告会は幕を閉じました。
■おわりに
「UNGL」には、これまで5年間で延べ179名の本学学生と教職員が参加しました。
私は、この「UNGL」の事務担当者であり、ほぼすべてのプログラムに参加し、その後の学生の成長を間近で見守ってきました。
地域連携プロジェクト、SA、学生FD活動、インターンシップなど、京都文教大学の学内のリソースを積極的に活用し、自らの成長の場を広げている人。
休学し、旅に出た人。英語力を磨きたいと、海外留学に挑戦する人。
連携他大学の学生の仲間とともに、大学を越えたリーダーシップ研修を企画・実施した人。
チームビルディング、リフレクションなどのノウハウを如何なく発揮し、部活動やサークル活動を活性化していった人。
「UNGL」で得た知識や経験の活かし方は個人差がありますが、学内の他の学生に良い影響を与え、大学にその経験を還元してくれているのではないかと思っています。
まだまだ学内での「UNGL」の認知度は高くありませんし、補助期間終了後の実施体制など、課題も多数あります。
ただ、準正課教育の1つとして、「UNGL」が本学学生に与える効果や可能性は、ものすごく大きなものがあると思っています。
「学生の成長で勝負する大学」京都文教大学の目指すべき方向の1つです。
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垣鍔さん、ありがとうございました。
様々な大学の学生たちが一緒になって、異文化の中で成長を遂げるプログラム。たった1週間の滞在にもかかわらず、目に見えないたくさんのお土産を持って帰ってきているようですね。
教まちやスタッフもなんだかお土産のおすそわけをもらった気分になりました。
報告会に参加した皆さんも同じように感じたのではないでしょうか。
以上、「スタッフレポート」京都文教大学編をお送りしました。