「スタッフレポート」14:佛教大学「地域福祉フィールドワーク」
■佛教大学の多様な福祉教育
こんにちは。教まちや事務局です。
大学コンソーシアム京都加盟校の職員の方にリレー形式でレポートをしていただく「スタッフレポート」佛教大学編です。
佛教大学では毎年多くの社会福祉士・精神保健福祉士の合格者、保育士を輩出されています。
今回のレポートでは、社会福祉士国家試験受験資格、精神保健福祉士国家試験受験資格、保育士資格に関わる実習教育支援等を行なっている「福祉教育開発センター」で展開されている事業「地域福祉フィールドワーク」についてご紹介いただきます。
それでは冨永さん、よろしくお願いします!
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佛教大学学生支援部福祉実習課の冨永と申します。SDゼミナール(大学コンソーシアム京都主催)でお世話になった龍谷大学の玉川さんにご紹介いただき、「スタッフレポート」を寄稿させていただくことになりました。
■地域福祉フィールドワークについて
福祉教育開発センター事業として取り組んでいる地域福祉フィールドワークは、2008年度より実施しています。地域や福祉団体との協働・当事者との交流から、将来、福祉現場で力を発揮していくために、社会や地域の課題を知り、支援について学ぶ学生の主体的な取組みで、2018年度は、6つのプログラムを展開しました。なお、当事業は実習教育の補完的な位置づけとして、正課授業をよりブラッシュアップさせていくことを目的としており、同時に専門性を地域社会に還元することで、「地域に根差した大学」の具現化を図り、社会貢献に寄与することを目標としています。
■実施内容
□小野郷へいこう!
概ね月に1回程度、京都市北区小野郷学区に赴いて、一人暮らし高齢者支援を目的とした井戸端サロンの企画・運営や、配食活動を通じた交流・見守り活動を行っています。また地域行事への参加等で、高齢者をはじめ地域で暮らす人々と交流を深め、過疎地域における地域福祉実践や課題について学んでいます。
□紫野へいこう!
京都市北区内でも高齢化率が高い地域である紫野学区の活性化の一助となるべく、地域諸団体と連携・協力しながら、一人暮らし高齢者を中心したグループ「パープルフレンズ」と共に、オリジナルソングの練習や高齢者が運営する「カフェ紫野」への支援等、高齢者の居場所づくり・生きがいづくり・つながりづくり等の活動支援を行っています。
□大宮へいこう!
「災害にも強い福祉のまちづくり」をテーマに京都市北区大宮学区を主な活動地域として、防災訓練や避難所運営訓練への参加、防災教育活動の企画・運営を行い、災害時要配慮者支援活動への参画を通じて、災害ソーシャルワークについて実践的な学びを深めています。また災害被災地への支援活動も行っており、西日本豪雨災害では、広島県三原市にて継続的な支援活動を展開しています。
□子ども支援
児童養護施設の子どもたちの学習支援を行っています。一人ひとりの子どもに寄り添うことで、子ども理解と社会的養護や児童福祉への関心を高め、児童養護施設の役割や職員の支援などについて実際に学ぶことができ、実習前の貴重な体験学習として参加している学生もいます。
□若者・ホームレス支援
炊き出しや夜回り活動といった生活困窮者の支援に加えて、2018年度からは子ども食堂の活動を行い、子どもや家庭の居場所づくりに取り組んでいます。普段は見えにくい困難を抱えた当事者と対話することで、対象者理解やソーシャルワークの具体的な実践を学んでいます。
□ハンセン病問題を考えるフィールドワーク
2016年度に開催したシンポジウムにて、ハンセン病に係る社会的排除を含めた諸課題への福祉的視点からの問題提起を行ったことを契機に、
2018年度から地域福祉フィールドワークとして取り組んでいます。2018年度は、国立療養所の長島愛生園や邑久光明園へ訪問しました。ハンセン病回復者の入所者との交流を通じて、社会福祉専門職としての使命と役割を学んでいます。
■おわりに
地域福祉フィールドワークでは、机上では困難な学習を、体験活動を通じて学んでいます。このような実践的な取り組みを通じて、社会性の獲得、問題意識の明確化等、社会福祉専門職としてのキャリア形成や、学生自身の力を発揮する機会となるよう、教職員が一丸となって支援をしています。
なお、福祉教育開発センターが発行しております事業報告書『ともいき』では、地域福祉フィールドワークの活動風景等が動画でもご覧いただけますので、ぜひご覧ください。
http://www.bukkyo-u.ac.jp/facilities/development/digital_book/