「加盟校レポート」2(後編) 全学FD/SD研修会:京都産業大学/障がい学生支援推進団体あすか
こんにちは。教まちや事務局です。
今回は、「加盟校レポート」第2弾の後編として、障がい学生支援推進団体あすか主催「平成26年度第2回全学FD/SD研修会」の実施報告レポートです。
レポートしていただくのは前回に引き続き、「障がい学生支援推進団体あすか」の代表を務め、京都産業大学の学生でもある辻悠佳さんです。
それでは、辻さんよろしくお願いします。
■「平成26年度第2回全学FD/SD研修会」
はい。それでは早速、研修会の様子をお伝えします。
2014年5月28日に障がい学生支援推進団体あすか主催「平成26年度第2回全学FD/SD研修会」は京都産業大学で開催されました。
研修会では、はじめに本学に在籍する障がい学生が講義を受ける姿等、学生生活の様子を動画で紹介した後、主に聴覚障がい学生を受け持った経験のある本学教員3名による模擬授業と、障がい学生自らがその授業のわかりやすい点を解説しました。
障がい学生を受け持った経験のある本学教員に模擬授業をしてもらいました
法学部久保秀雄准教授は、「重要語句をスライドに出す」。
法学部耳野健二教授は、「板書を中心に学生の様子を見ながら、丁寧に話す」。
理学部渡辺達也准教授は、「正確に情報を伝えるために、障がい学生に数式等が書かれた板書ノートを事前に渡す」。
それぞれ授業の工夫がなされていること等、模擬授業を通して、解説者が紹介しました。これらの工夫により、視覚的な情報が増え、聴覚障がい学生がより情報を得やすくなります。
研修会では、障がい学生が受ける授業と同様にPCテイカーの学生が活躍しました
続いて、グループディスカッションを行いました。
テーマは、4つ設けられました。
① ゼミなどの少人数講義での支援方法
② 英語など語学の授業の支援方法
③ 実験での支援方法
④ ユニバーサルデザイン講義の理想
参加者の多様な経験から、解決案を考えてもらい、模造紙にまとめてもらいました。
学内外の生徒・学生・教員・職員が一緒になってグループディスカッションを行いました
これらのテーマに関する解決方法は、教員だけでなく、学生も一緒に解決案を出してもらって解決しようという意見が多く出されました。
各グループで、授業運営や支援方法に関する課題やアイデアを模造紙にまとめていただきました
最後に、障がい学生(聴覚・発達・視覚)を受け持った経験のある本学教員3名が、授業面での配慮事例等について自身の実施事例を紹介していただきました。
例えば、少人数クラスで自己紹介する際に、全員が紙で名前と趣味を書いてもらった上で発表する方法が紹介されました。これは、障がい学生のためでだけではなく、他の学生も、名前等が正確に伝わるように先生が工夫されている方法です。
参加者からは、「学生主体で教職員を巻き込んだ研修会を実施することの意義は大きかった」、「先生の ”障がい学生のために分かりやすくしているのではなく、すべての学生にとって分かりやすく工夫している” という言葉が印象的だった」、「グループディスカッションでは、学生・職員・教員で話し合うことによって、障がい学生だけでなく、先生も先生なりに悩みがあるということを知った」という声がありました。
■研修会を終えて
この研修会を通して、参加者に、障がい者のためにではなく、ユニバーサルデザインという方法もあるといった実践的な紹介をすることによって、大きな成果を出せたというのが一番の思いです。また他大学でも、実務的な疑問を抱えていることから、今回の研修会をさらに大規模にした研修会を将来開催することができたらと、思います。今回は聴覚障がい学生の支援が中心でしたので、障がい全般にわたる事例を紹介するなど、反省点を生かしながら、次回に結びつけたいと考えています。
※研修会の様子は、京都産業大学ホームページからもご覧いただけます。
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辻さん、ありがとうございました。
9月8日にも、あすかは大阪大谷大学と共同で「第2回学生フォーラム」を開催しています。
学生、教員、大学の垣根を越えたあすかの今後の活動に要注目ですね。
※「障がい学生支援推進団体あすか」の活動は、ホームページ、Facebook、Twitterでご覧いただけます。
以上、「加盟校レポート」シリーズ第2弾、京都産業大学編でした。
次回もお楽しみに。