「スタッフレポート」4:京都産業大学「学生就職アドバイザー」
■はじめに
こんにちは。教まちや事務局です。
大学コンソーシアム京都加盟校の職員の方にリレー形式でレポートをしていただく「スタッフレポート」第4弾です。
今回は、京都産業大学で学生が主体となって後輩の就職活動のサポートを行う「学生就職アドバイザー」について、ご紹介いただきます。
アドバイザーが日頃行っている活動や、メインイベントとなる「就活祭」について現場の声を織り交ぜながらのレポートです。
それでは京都産業大学の林さん、よろしくお願いします!!
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京都産業大学 進路・就職支援センターの林と申します。
大学コンソーシアム京都主催の「SDゼミナール」同期生である京都外国語大学の北口さんからバトンを受け取り、執筆させていただくことになりました。
バトンを受け取った時期は、私の所属する部署にて、学生団体が始動するところでしたので、今回はそんな学生団体「学生就職アドバイザー」をご紹介いたします。
■学生就職アドバイザー
京都産業大学では、就職先が決定した4年次生に、3年次生の就職活動をサポートしてもらう「学生就職アドバイザー」制度があります。今年度で18年目を迎え、約60名の4年次生が、日々個別相談や学生主催行事を実施しています。
彼らに担当してもらうのは、
・個別相談
・学生主催行事の企画・運営
・「就活祭」の企画・運営
自身の就職活動の「経験」を様々な形で後輩たちに伝えてもらいます。先輩たちの生の声を聞ける3年次生のための支援はもちろんですが、取組みは学生主導で行っています。そのため、学生就職アドバイザーとして活動してもらう4年次生にも、企画や立案、イベントの運営の経験、定期的に行う彼らへの研修を通じて、社会人に必要な能力の向上、そして人間的に成長できるような制度になっています。
■事前研修
学生就職アドバイザーになる前に、日々の活動や個別相談の対応方法といった内容の事前研修を受けてもらいます。
彼らもここが初顔合わせとなるので、最初は緊張した面持ちでしたが、グループワークや懇親会を通じて、あっという間に仲が深まっていきました。
■通常業務
学生就職アドバイザーの活動期間は、10月~翌年2月末までです。
普段は進路・就職支援センター(以下、当センター)付近のスペースで、曜日ごとのシフトを組んで個別相談を行っています。部活動やアルバイトとの両立、就職活動で困ったこと、やっておけばよかったと思ったことといった細かい部分の質問は、やはり先輩学生が答えると説得力が増すようですね。蓄積された豊富な知識を有する当センター、そしてタイムリーな情報を有し、同じ目線で話せる学生就職アドバイザーとの連携によって、より強力な相談体制が整います。
相談者が少ない時には、今後の運営方針や特別企画を考えてもらい、考えた企画は企画書にまとめ、当センタースタッフとの会議を経て実行に移します。3年次生へのアドバイザー認知度が低い時期には、学生のより多く集まる場所での相談業務を行う「出張アドバイザー」や、チラシ配布等で広報活動を行い、就職活動が本格化する直前には模擬面接や模擬グループディスカッションといった実践的な行事を行うなど、現状や時期を考えながら日々活動しています。
もちろん企画へのダメ出しも数多く…。
企画の細かい部分にも質問するスタッフに、うーん、うーんと困る学生。一足早く「社会」を経験してもらっています。
■就活祭
もう一つの大きな業務は「就活祭」。
毎年2月に、学生就職アドバイザー、卒業生、大学と「オール京都産業大学」で本学オリジナルの就職活動応援行事を実施するもので、毎年900人を超す3年次生が参加する本学の誇る一大行事です。就職活動体験談、業界研究紹介、模擬面接、OB・OG訪問会といったイベントを学生就職アドバイザーが企画・運営します。
午前は学生就職アドバイザーの企画したイベントを実施します。この日のために、内容の企画、冊子の作成、学生配置や動きなど、普段の曜日担当の垣根を越えて全員が一致団結して考え、取り組みます。
午後は卒業生による「OB・OG訪問会」。現在の仕事に対するやりがいや大変なこと、企業の業務内容、学生時代のお話…。こちらも卒業生だからこそ話せる「本音」で、3年次生からの質問に答えていただきます。
当日参加していただく卒業生はみなさん「学生就職アドバイザー」経験者です。社会に出てからも「卒業生アドバイザー」として、この就活祭を始め、様々な行事に協力していただいています。
学生就職アドバイザー活動の集大成ともいうべき本行事は、苦労も多い分、乗り越えた時の彼らの喜びや達成感も強く、社会人になるに向けて大きく成長する機会といえます。
■おわりに
この学生就職アドバイザー制度は、学生が学生を支援する団体の中でも特徴ともいうべき本学の伝統です。最初は団体内でも相談をする際でも緊張が見られ、どことなくぎこちなかった彼らも、活動を終える頃にはハキハキとたくましい姿に成長しています。卒業後も就職活動を控えた3年次生を応援してくれる卒業生アドバイザーとして、大学に帰ってきてくれる彼らの存在は、本学の大きな財産です。
この制度でのいいところは本学の進路・就職支援の方針でもある「デジタルな時代だからこそ、アナログにこだわる『Face to Face』の支援」であることだと思っています。
就職支援サイトからエントリーし、Webで情報を得て…というデジタル全盛期ではありますが、結局選考や働くことの「事実・体験・感想」は「人」からでないと情報を得られません。今後の何十年と続く自身の生き方を決める大切な場だからこそ、アナログな「Face to Face」が最も必要になるのではないでしょうか。
今年度学生就職アドバイザーも10月から始動しています。その年その年でそれぞれ違う個性が出る彼ら。今年はどんな団体になるのか、どんな支援をしてくれるのか。私達も楽しみです!
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林さん、ありがとうございました。
売り手市場と言われている今年の就職活動ですが、いつの時代も就職活動中の学生に悩みはつきもの。友人や同級生には相談できない…という時に、ほんの少し前まで同じように努力していた先輩たちがアドバイスをくれるということはとても心強いですね。
デジタル全盛期のなかでも決しておろそかにできない、人と人のつながり、「Face to Face」というアナログな部分が、「学生就職アドバイザー」活動の要になっているんですね。
スマホやタブレットにもたくさんメリットはありますが、紙とペンも手放せない…デジタルとアナログを上手に使い分けることも大事だということなのかもしれませんね。
以上、「スタッフレポート」京都産業大学編をお送りしました。